現実世界に現れた「喋るドラゴン」との掛け合いがツボる!現実×ファンタジーが奇妙に同居した漫画に「めっちゃ面白い」の声

2022年11月24日 17:00更新

東京ウォーカー(全国版)

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神話の時代から伝説の生き物として描かれてきた「ドラゴン」。その神秘性と神々しさは時代を超えて人々の心に焼き付いたが、ゲームやフィクションのキャラクターとして身近にもなった。従来のドラゴン像からかけ離れた「解釈違い」に憤る青年が、ある日「オーソドックスなドラゴン」に偶然出会ってしまい……。牧瀬初雲(まきせしょうん)( @makkyisu1 )さんが自身のTwitterアカウント上で公開し、たちまち5万件のいいねを集めた漫画「ドラゴン養ってください」は、練り込まれた設定の上に人間とドラゴンとの掛け合いが光る作品だ。

ドラゴンと偶然出会ってしまった青年。「ああ言うのは創作の中に限る」と一度は立ち去るものの…画像提供:牧瀬初雲(@makkyisu1)

「理想のドラゴン像」とズレた、“本物のドラゴン”との出会い。青年とドラゴンの掛け合いが小気味いい

遊んでいるゲームで、ドラゴンが仲間になった途端人間の姿に変わったことに激昂する青年。彼は「アイデンティティを!奪うな!」と、ドラゴンらしさが失われることに腹を立てるぐらい、自分の中に理想のドラゴン像を持っていた。

「養って欲しいドラゴンと急な人間化は許せない人の話」2画像提供:牧瀬初雲(@makkyisu1)


そんな青年は、買い出しの途中横切った公園で一頭のドラゴンを見つける。目を逸らしノーリアクションで立ち去ろうとする青年を、炎の息を吐いて止めるドラゴン。「幻覚でも幻聴でもありません」と、日本語で「イルセラ」と名乗ったドラゴンは、「養なってください」と微妙に間違えたメッセージボードを見せ、青年に世話をするよう頼みこむ。

「養って欲しいドラゴンと急な人間化は許せない人の話」5画像提供:牧瀬初雲(@makkyisu1)


「俺の気高きドラゴン像が…」と理想と現実のギャップに苦しむ青年。知らない世界で修行するべくやってきたというイルセラの事情を聞いた上で、「俺は今自分1人でも精一杯なんだよ!」と養うことを拒む。「この世界の人間はドラゴンが好きだと聞いたのに!」と小賢しいことを言うイルセラに「フィクションのな!」と断じ、その場を後にしてしまう。

「養って欲しいドラゴンと急な人間化は許せない人の話」9画像提供:牧瀬初雲(@makkyisu1)


その後、「あれのことは忘れよう」と思いながらも、青年はイルセラのことが頭をちらついていた。「まあ大丈夫だろ ドラゴンだし」と割り切って帰ろうとする青年だったが、その帰り道、今度は巨大なスライムに遭遇してしまい――、というストーリー。

見た目は神々しい本物のドラゴンながら、説明の端々でプライドがにじんだり、養ってもらえず半べそをかいたりととぼけた性格のイルセラ。そんなドラゴンに惹かれながらも臆せずツッコミを入れる青年とのコミカルなやり取りと、誰もが思い描く「ドラゴンらしさ」を見せるシーンとが噛み合った作品だ。

読者からは「楽しい漫画」「めっちゃ面白い」「所々に見え隠れする設定とこだわりがわかりみを加速させる」といった反響のほか、「分かる」「この主人公とは何時間も語り合えそうな気がする」と、冒頭で描かれたドラゴン観に対する共感など、さまざまなコメントが寄せられた。

「さらっと出るキャラ同士の掛け合いが好き」作者に訊いた舞台裏

作者の牧瀬初雲さんは、「WebComic アパンダ」および「コミックウォーカー」そして「ニコニコ漫画」上で『スティアの魔女』を連載中のプロの漫画家。反響を受け、牧瀬さんに本作のアイデアの発端を訊くと、とあるツイートがきっかけの1つになったという。

「もともと“人外の存在”が好きなのと、いつだったかTwitter上で『ゲーム中のドラゴンが人間になったシーン』に暴言を吐いている人のツイートを見かけて、それが印象に残っていてそこから話を広げました」

「養って欲しいドラゴンと急な人間化は許せない人の話」16画像提供:牧瀬初雲(@makkyisu1)


ちなみに、作中の主人公のように「ドラゴンの擬人化」への抵抗はないという牧瀬さん。「漫画の主人公は考えが極端な方が面白いのでそういった考えというか描写になりましたが、個人的には別に擬人化に対しては特に嫌悪感はありません。ただ元の姿でいる期間が長いと、せっかく愛着が湧いたのに『急に姿変わるんだ……』ってなりますね」

どこかとぼけたドラゴンと辛辣にツッコむ主人公との掛け合いが小気味いい本作。こうしたテンポや台詞回しは「昔は苦手でした」としながらも、「映画などを中心に観て勉強してるうちに、いつの間にかよく褒められるレベルにまでなってました。分かりやすいギャグより、さらっと出るキャラ同士の掛け合いが好きなので、そういった描写をもっと活かそうと描いてました」と振り返る。

また、作中で断片的に語られるファンタジー部分にも説得力を感じさせるのも魅力の1つ。牧瀬さんは「伝承やそういった類の話は好きなので、元々考えていたというよりは描きながら『そういえばこれで理由付けできるな』と、昔から好きだった分野が作品に偶然活かされてる感じです」と世界観の背景を語った。

本編におまけページを加えた個人誌「ドラゴン養ってください」は11月27日開催の「コミティア142」で頒布予定画像提供:牧瀬初雲(@makkyisu1)


2022年11月27日(日)に東京ビッグサイトにて開催される「コミティア142」にて、おまけページを加え「ドラゴン養ってください」を個人誌で頒布予定という牧瀬さん。読者に向けて、本作とあわせ「現在、『スティアの魔女』というファンタジー漫画を商業連載しています。ほのぼのした空気の中に影が潜む渡し舟の女の子のお話です。ドラゴンの話とは毛色が違う話ですが、ともどもよろしくお願いします!」とメッセージを寄せた。

取材協力:牧瀬初雲(@makkyisu1)

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