【漫画】なぜ「ギャル」×「エビ」の組み合わせ!?異色の“変身”漫画がインパクト強すぎ
人間が別の存在に姿を変える「変身」は、神話や昔話の時代から現代のフィクションに至るまでさまざまな形で描かれてきた。漫画家の優輝光太朗(
@duke0069
)さんがpixivやTwitterで公開している創作漫画「ロブスターガール」は、ひょんなことから“エビ”に変身してしまうようになったギャルという異色の組み合わせが際立つ作品だ。

作者の優輝光太朗さんは、2月に「dブック」にて連載がはじまった『幼なじみは大邪神』をはじめ、『怪獣列島少女隊』(新潮社)や『シリーズ怪獣区 ディスカルゴ』(東映特撮ファンクラブ)などの作品を手掛けるプロの漫画家。個人制作として発表している「ロブスターガール」シリーズの紹介とともに、同作の舞台裏を訊いた。
謎のドリンクの副作用で「エビ怪人」に!?前向きギャルの変身コメディ
同作は、優輝さんが2022年5月にSNS上で第1話を公開した作品だ。主人公のリナは、明るくポジティブなギャル。彼女は謎のドリンクを飲んだ影響で、両手はハサミ、頭からは触覚と、人型のエビになりつつあった。

リナのもとを訪れた友人のみーちゃんに、ハサミになった両手を掲げ「これじゃあネイルできねーぢゃん!」と、あくまで軽いノリで悩むリナ。が、エビ化が進み「ウチがエビになったらみーちゃんと遊び行けなくなる…」と涙する。
そんな彼女を見て「エビになろうがカニになろうがリナはリナだ!」とみーちゃんが声をかけると、リナはまるで脱皮するかのようにあっけなく元通りの姿に戻ることができた。

その後、強く念じたり大きな感情を持った時に「エビる」、すなわちエビに変身することが分かったリナ。日常では手を使わずに背中から生えたエビの手でポテチをつまんでみたり、ある時は怪人「ロブスターガール」として巨大怪獣と戦ったりと、能天気さとシリアスさが交じり合った予測不能のストーリーが展開される作品だ。
プラスとマイナス、喜劇と悲劇、両方の「変身」描く
リナのポジティブな日常だけでなく、変身のほの暗い面も垣間見える本作。商業作品では怪獣が登場する作品を数多く描く優輝さんに、変身を題材にした個人作品を描いた理由を教えてもらった。
――最初に、本シリーズが生まれたきっかけを教えてください。
「まず、自分自身が歳をとることに対してあまり前向きではない気持ちがありました。それをきっかけに、まず、美を求め謎の美容ドリンクを飲み続けたOLが、欲を抑えられなくなった結果、怪人と化してしまう悲劇の漫画を描いたのが作品の発端です。
しかし、主役を変えたら喜劇にもなり、前向きなキャラを描くことで、自分も前向きになれるのではないか?(笑)と思い立ち、ギャルを主人公に新たにシリーズとして描き始めました。前述の作品は、同シリーズの0話としています」

――作中でも「エビになろうがカニになろうが」という台詞がありますが、なぜ変身する姿に「エビ」を選んだのでしょうか。
「エビは元々『不老長寿の象徴』とされていて、そこから由来しています。甲殻類は怪獣的でカッコよくて好きなので、深い意味もなく出すことも多々あります」
――リナはシリアスな葛藤をしつつも、エビ化を便利に使ったり、「人助け」として力を活用したり、「変身ヒロイン」のイメージをいい意味で裏切るキャラクターです。
「どんな状況でも明るく前向きなギャルとして描こうとしていますが、全くマイナス感情が湧かない人間はいないと思いますので、シリアスな気持ちの出し方は、リナと同様に悩みながら描いてます」
――他方、怪人の力に飲まれる登場人物が現れるように、王道的な「変身」へのまなざしも感じます。本作でさまざまな「変身」を描く思いを教えてください。
「本作に関しては変身後の姿は本人の本来の思いや、変化の象徴として捉えていて、同じ条件で同じ“エビ”モチーフに変身しても、キャラによって全く異なるように描こうとしています」

――ちなみに、現時点で続きの構想はどのぐらいあるのでしょうか?
「160ページくらいで完結させようとはしていて、終わりまでざっくりと仮定しています。商業漫画制作で時間が取れず、更新が出来てなくて申し訳ないです……。
2月から「dブック」の先行配信にて『幼なじみは大邪神』が連載スタートしました。ヒーロー、怪獣、神様…ごった煮のバトル×ラブコメ漫画で、また違った角度で人が怪獣やヒーローに変身する内容となっておりますので、こちらの作品も合わせて応援お願いします!」
取材協力:優輝 光太朗(@duke0069)