【漫画】「この絵を見て何か気付きませんか?」認知症だった母が最期に娘に伝えたかったこととは【作者に聞いた】

東京ウォーカー(全国版)

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母を亡くした娘のみどりは、参列者からのねぎらいの言葉に苛立ちを感じていた吉良いと@kilightit

元ゲーム会社所属デザイナーで、現在はストーリー漫画をメインに執筆している吉良いと(@kilightit)さん。個人で作品を公開・販売するほか、商業誌にも作品を掲載するなど、精力的に活動している漫画家だ。代表作「ようこそ亡霊葬儀屋さん」は、「このお話ほんとに好きです」「1度見たことあるはずなのに泣いてしまった」など、 多くの読者に感動をもたらしている


今回は、 「幽霊が視(み)える葬儀屋さんと忘れられた娘」 をお届け。認知症だった母を介護してきた娘・みどりさんが最期に聞いた母の言葉は「どちらさま?」。葬儀当日、参列者からねぎらいの言葉をかけられるたびに、みどりさんはイライラを感じていた。

葬儀場に飾られた絵を見た烏丸がみどりに話しかける吉良いと@kilightit


葬儀場に飾られたたくさんの絵を見て、“視”える葬儀屋・烏丸 枢(からすま・くるる)はみどりさんに“この絵を見て何か気が付かないか”と声をかける。ピンとこないみどりさんに、烏丸は使っているクレヨンの色を告げる。「緑色ばかりですね。…あなたの色ですよ、みどりさん」。

烏丸はみどりに、絵に使われている色が“緑色”ばかりであることを伝える吉良いと@kilightit


唖然とするみどりさんの隣に、みどりさんの母の霊が現れる。母は“みどり”が好きだった。「最期に名前を呼んであげられなくてごめんねぇ…」。母の本心を知ったみどりさんの頬を一筋の涙が伝った。

娘に本心を伝えることができたみどりの母は、無事に成仏するのだった吉良いと@kilightit


本作品に対する思いを作者に聞いてみた。

吉良いと「『死』はもちろん怖いものですが、『人に忘れられる』ことも同じくらい怖いと私は思います。そして、『忘れる側』も辛い...。そういった両者の思いをこの漫画では描きました」

SNSにアップされると、「ほんとに素敵なお話だと思う」「号泣しました」といったコメントが寄せられている。記憶があやふやになり、そのまま亡くなってしまったあとで触れる母親の愛情に満ちた本心に、思わず目頭が熱くなってしまう。


画像提供:吉良いと(@kilightit)

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