【漫画】死者の願いは“弟に店を継いでもらうこと”、下手くそなオムライスが繋いだ兄弟の絆に涙する読者多数【作者に聞いた】

元ゲーム会社所属デザイナーで、現在はストーリー漫画をメインに執筆している吉良いと(@kilightit)さん。個人で作品を公開・販売するほか、商業誌にも作品を掲載するなど、精力的に活動している漫画家だ。代表作「ようこそ亡霊葬儀屋さん」は、「このお話ほんとに好きです」「1度見た事あるはずなのに泣いてしまった」など、多くの読者に感動をもたらしている。
今回は、「幽霊が視(み)える葬儀屋さんと洋食屋の兄弟」をお届け。烏丸 枢(からすま・くるる)が社長を務める烏丸葬儀社に葬儀の依頼が届いた。亡くなったのは、洋食屋いがらしの店主・五十嵐晴人。烏丸の助手・皇灯(すめらぎ・あかり)の中学時代の友達の兄だ。

2人が店へ向かうと五十嵐晴人の弟・蒼(あおい)が待っていた。皇は蒼が店を継ぐのかと聞くと、彼はそれを否定。その理由は、かつて彼が父の葬儀会場で親戚に言われた言葉にあった…。「蒼に店を継いでほしい」と思っている晴人のために、烏丸と皇は“ある作戦”を実行する。

烏丸は蒼を呼び出し、手作りのオムライスを食べてほしいと伝える。ひどい見た目のオムライスに既視感を覚えた蒼に、烏丸は“晴人に教えてもらって作ったオムライス”であることを伝える。ひと口食べ、蒼は昔の記憶を思い出す。

烏丸が作ったオムライスは、蒼が晴人と一緒に初めて作ったオムライスと同じ味だった。親戚にののしられたとき、晴人がその場にいたらなんと言っただろうか…。蒼の目の前で晴人は言う。「目標に向かってちゃんと努力ができる人間です」「弟を馬鹿にする人間は僕が許さない」。

店を継ぐ決心をした蒼は、後日烏丸たちを店に招待。「店伝統の味を守りつつ、見た目に個性を出してみた」というオムライスは、蒼の見た目からは想像できないかわいらしいものだった。父の代から続く店と兄の意志を継いだ蒼の新しい挑戦が始まった。

作者に話を聞いてみた。
吉良いと「蒼と晴人はこの作品の中でもお気に入りのキャラクターになりました。友人から『蒼が作った可愛いオムライス』を再現した写真が送られてきて、とてもうれしかったです!作中のものを実際に作って頂けたのを見ると、より作品が愛しくなります」
Twitterにアップされると、「やっぱりこのシリーズ好きだなぁ…」「お兄さんの気持ちが伝わってよかった」といった反応が読者からが寄せられている。店を継ぎ、兄弟で目指した夢に向かって進み始めた蒼さんの姿に感動が止まらない!
画像提供:吉良いと(@kilightit)