約束の時間なのに「動けない」部屋はぐちゃぐちゃ!!片付けモードに入れないのはなぜ!?【作者インタビュー】
「次にくるマンガ大賞 2023」がスタートしている。漫画ファンの推薦と投票を通して、次にブレイクしそうな漫画を発掘&紹介するコンテストだ。今回は「次にくるマンガ大賞 2023」にノミネートされた井上まい(@omo_mai)さんの「
大丈夫倶楽部
」を紹介しよう。
頑張りすぎていた自分に気づきをくれるエッセンスが満載
7月に入ったばかりだというのに真夏日が続き、やらなくてはいけないことがあるのに放ってついついアイスを食べてしまう。主人公・花田もねは、「最近そういう流れがきている」と自分の体たらくを感じていた。しかし、今日は子供の頃から通う書道教室のゲンローさんとの約束の日。
来客時間の2時間前。未だ、部屋はぐちゃぐちゃ。なのにスイッチは入らず。こういうとき、自分のスイッチの入れ方を知っていた主人公は、きれいに片付いた自室の写真をみようとPCを立ち上げる。しかし、なかなかデータが見つからない…。
こんなにやる気が出ないのは、もしかしたら病気なのかもと体温を計るが、まさかの平熱。ああでもない、こうでもないとエンジンがかからないままでいると、来訪を告げるチャイムが鳴ってしまい…。やらなくてはいけないことがあるのに、体も頭もフリーズしてどうしようもない。そんな経験は誰しもあるのではないだろうか?
紹介する第90話「片付かない日も大丈夫」は、「なんだか最近、エンジンがかからないんだよね」な状態を描く。よくある日常の一片がテーマとなる本作は、余白のある結末がふっと心を軽くしてくれる解毒剤のような役割を果たす。昨年に引き続き「次にくるマンガ大賞」にノミネートされた感想や本作のテーマや反響について、作者の井上さんに話を訊いた。
ーー2年連続「次にくるマンガ大賞 2023」ノミネートおめでとうございます。今のお気持ちをお聞かせください。
ありがとうございます。去年に続いてということで、今の状況として、ノミネートされていなかったらむしろどうしたものか、と思い悩んだと思います。そうならずに済んだのはエントリー票を投じてくださった読者のみなさんと惜しみなく広報に力を入れてくださる編集部のおかげです。当たり前ですが自分一人で叶えられることではないから、投票やおすすめの声など、形をつけてこの作品を応援してくださったことをうれしく思っています。
ーー「大丈夫」をテーマにした理由を教えてください。
大丈夫になりたい、ほっとしたい願望を実際に長く持て余す時期が自分にもあり、ふとそれを作品に翻案して形にできそうと思えたからです。個人的には、言い聞かせるというより願って目指すようなイメージです。
ーー「大丈夫じゃなくなってしまう」状況が多くの読者の共感を得ています。描くうえでこだわっていることがあれば教えてください。
逆に、共感してしまう人たちに向けて「でも仕方ないし別にいいんですよ」と言ってしまいたい。押し付けない力の入れ具合で、心の角を丸くしたい気持ちでいます。
ーーうまく行かないこともあるけれど大丈夫倶楽部を読むと、大丈夫な気持ちになれると言う読者の声も届いていますが、いかがでしょうか。
作品はあくまで可能性の提示で、大丈夫になったならそれはその方の自力によるものですし、読んで落ち込んでも、期待通りにならなくても、ひとつの読書体験になれたらと思います。
今回「次にくるマンガ大賞 2023」Webマンガ部門ノミネート記念として、マンガ5(ファイブ)のサイト内にて「大丈夫俱楽部」単行本3巻分の単話が無料で読めるキャンペーンを実施中。7月9日(日)23時59分まで、サイトへの会員登録不要で作品を読むことができる。この機会に、ぜひ一気読みしてみてはいかが?
「大丈夫」は、人それぞれ落としどころが違うもの。主人公のようにスモールステップで1つずつ完了させていくことも動き出すための方法だ。また、「できなくても大丈夫」と心に無理させない方法など、さまざまな登場人物との関わりでいろいろな向き合い方が見えてくる。
取材協力:井上まい(@omo_mai)











