人間関係をかき乱すモンスター級の「くれくれちゃん」。身近にいたらどのように対応すべき?【作者に聞く】
人間関係が原因でトラブルに巻き込まれた経験がある人は多いだろう。特に近年はSNSでの些細な投稿から思わぬ事態に発展することも多い。何かと人のものを欲しがり、さまざまなトラブルを巻き起こすチコちゃんを描いたコミックエッセイ「欲しがるあの子を止められない」の作者ぱん田ぱん太さんへのインタビューを通して、問題行動を起こす「くれくれちゃん」の背景に迫る。
「一口ちょうだい!」は何回まで?
「一口だけちょうだい!」と言われたことがある人は多いだろう。仲の良い友達同士であれば、特に深く考えることなく食べ物をシェアし、幸福感を分かち合える。しかし、この言葉を2回、3回、10回...何か買うごとに言われたらどうだろうか...。

人間関係は些細な諍いが大きな亀裂を生んだり、長年の蓄積が良くも悪くも大きな影響を与えることが多い。ぱん田ぱん太さんにはご自身の経験から、人間関係について率直に語ってもらった。
――本作品を描こうと思った理由についてお聞かせください。
誰かの心身が深く傷付いたり、犯罪を犯したりしない程度のトラブルを起こす人のドタバタ、しかしそれだけでは終わらず、その人の過去や内面を掘り下げるお話を描いてみたかったからです。
――作品はSNSでのやり取りから始まりますが、実際にSNSを通して何かトラブルに巻き込まれてしまった経験があれば教えていただきたいです。
以前、希望したブログの読者さんを募って、クローズドなコミュニティを作ったことがあります。しかしその中で1人の読者さんが「ぱん田ぱん太が私に向き合ってくれない」と感じたらしく、いわゆる「アンチ」に一転してしまい、そのコミュニティ内の情報を外部に流されてしまったことがあります。それ以来、どれほど私のブログを好んで読んでくれていた読者さんたちとであっても、クローズドなコミュニティを作ることはよくないと反省しました。

問題行動、その背景には…
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作品を通して親が子供に与える影響について語られることが多かったですが、ぱん太さんが子供と接するときに気を付けていることがありましたらお聞かせください。
とにかくどんな些細なことでも褒めること、そして何度も何度も思いついたら愛を伝えることです。我が子には自己肯定感が高く、そして「自分は何があろうと母に世界一愛されている、母の元なら何があろうと安心できる」と何歳になっても思っていてほしいです。

――問題行動を起こしてしまう人に対してどのように付き合ったらいいと思いますか?
付き合う必要がないのであれば、冷たい言い方になってしまいますが、さっさと距離を置いていいと思います。職場の同僚や学校の同級生など、どうしてもある程度付き合わなければならない存在なら、自分はその問題行動に振り回されない!とはっきりと意思を持って主張するのがいいのかなと思います。家族やパートナーなど、身近で大切な人で、これからもその人との関係を続けていきたいと思うのならば、冷静に穏やかに真摯に、とことんまっすぐ向き合って話をしてみるといいんじゃないでしょうか。

――最後に、作品を通して読者の方々に特に伝えたいことがあればお聞かせください。
作中のいろんな登場人物に対して、いろんなことを感じてもらえたら本当にうれしいです。それが共感でも反感でも、怒りでも悲しみでも、キーパーソンの1人・大谷くんのような興味本位でも。なんらかの形で皆さんの心をほんの少しでも動かすことができたら私はうれしいです。