ついに深夜徘徊が始まった!認知症介護実録漫画でわかる徘徊を引き留める苦労【作者に聞いた】

東京ウォーカー(全国版)

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認知症にはさまざまなタイプがあるが、一番多いのがアルツハイマー型認知症。認知症全体の約70%を占めていると言われている。アルツハイマー型認知症の初期症状にはさまざまなものがあり、人によって出方や程度はまちまちだが、物をどこに置いたのかを忘れて探し物が増えたり、料理の手順がわからなくなったり、時間の感覚がなくなったり、物を盗られたといった被害妄想が生まれたりする。

そして、症状が進行していくと起きるのが「徘徊」だ。学生ながら、アルツハイマー型認知症になった祖母・きみ子さんの介護を担うことになったさとみさん( @satomi_qoljojo )。コミックエッセイ「嫌いから可愛いになった私のおばあちゃん 〜認知症介護実録〜」では、きみ子さんが徘徊するようになり、さとみさんの負担が増していった様子を描いている。

アルツハイマー型認知症と診断された祖母・きみ子さん。ついに深夜徘徊をし始めるように。徘徊を阻止するため、孫のさとみさんは寝られない日々が続くことになってしまう。「嫌いから可愛いになった私のおばあちゃん 〜認知症介護実録〜」より(C)さとみ/毎日が発見

1人歩き 01(C)さとみ/毎日が発見

1人歩き 02(C)さとみ/毎日が発見

1人歩き 03(C)さとみ/毎日が発見

1人歩き 04(C)さとみ/毎日が発見

1人歩き 05(C)さとみ/毎日が発見

さとみさんが自宅にいると、きみ子さんが深夜でもお構いなしに話しかけてくるように。たまらず部屋に入れないようにしたら、部屋に入れろと大騒ぎするようになってしまい、さとみさんは睡眠不足の日々を送るようになってしまった。そして、ついにきみ子さんは深夜にもかかわらず1人外出しようとするようになってしまう。当時の状況を詳しく聞いた。

介護は「とにかく1人でやらず、負担を減らして」

――1人歩きの目的としてきみ子さんの母がやっている喫茶店に行く、と話していたそうですが、目的は毎回一緒だったのでしょうか?また、なぜ喫茶店に行きたがっているのか、理由を聞けたりしましたか?

私も眠いので、毎回理由を聞くわけではないのですが「ちゃあちゃん(きみ子さんの母)が待ってる」や「家に帰る」などが多かったです。「とにかくあのー、そのー、行かなきゃいけない」と場所が言えなくても、本人には明確な目的地があるようでした。追求するとヒートアップすることもあるので、あんまり深く聞くことはなかったです。眠いので…。喫茶店に行く理由としては「手伝わなきゃいけない」と言っていました。ただ、誰も祖母が喫茶店をやっていたことは知らないので、本当にやっていたかはわかりません。

――1人歩きが始まる前、さとみさんへの過剰な話しかけ行動があったそうですが、1人歩きが始まったことで過剰な話しかけはなくなったんでしょうか?

なくなることはなく、常に私を探していました。

――1人歩きがあったのは夜間で、日中にどこかに行ってしまうようなことはなかったんでしょうか?

デイサービスで賄いきれないことも、あったかもしれません。ただ日中は警察にお世話にはなってないので、仮に外に出ていても、なんとか自力で帰ってこれていたのかもしれません。私も1人歩きと普通の外出との境界線がわからなかったので、ただ1人でハラハラしていました。

――そもそもきみ子さんの夜中の外出に、よく気付かれましたね。この頃は、気を張っていて寝られなかったということもあったのでしょうか?

かなり気が張っていたのだと思います。今の私は地震や夫のいびきでも全然起きないそうなので、相当だったかと。

――きみ子さんの1人歩きについては、誰かに相談できていましたか?相談したとき、相手からの反応はどのようなものでしたか?

母に話しておりましたが、「報告ありがとう」とか「担当医に話すね」だけでした。周りの方に相談するにも介護の経験がない方がほとんどでしたので、「大変だね」「(孫が介護してくれるなんて)おばあちゃんは幸せだね」「ご両親は助かっているね」といった反応が多かったのですが、そもそも共感性の低い話をしても盛り上がらないので、誰かに話したり相談することはあんまりしてきませんでした。介護経験がないのに介護の話をずっとされてもつまらないよなあと。

――この頃のエピソードを拝見すると、ひたすらさとみさんが1人で頑張っていた印象です。振り返ってみて、もっとこうすればよかったというようなことはありますか?

介護をしていると自分のペースが乱されることが多々あります。介護の関連書を読んで「こんなんできたら苦労しないわー!」って1人で怒ったことも(笑)。でもやっぱり、柔軟に対応するのには知識が足りなかったですし、割り切った行動も必要だったなあと思いますね。当時の私のように介護で苦労されている方には、とにかく1人で頑張ってもすぐに息切れを起こしやすいことを理解して、全部を負わず福祉サービスを利用するなど、とにかく1人でやらずに負担を減らす道を探してほしいと思います。

連日の過剰な話しかけと徘徊でさとみさんはすっかり睡眠不足に…。「正常な考えができなくなる」ほどに追い詰められてしまったそう。「割り切った行動も必要だった」と語るように、どうしたらよいのかという部分を1人で抱え込まずに、周りを巻き込むことが必要なのだろう。

取材・文=西連寺くらら

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