内向的・HSPの自分…「苦手があるから」見つけられた小さな喜びが、日々の幸福度を上げてくれた【作者に聞く】
自身の内向的でHSPな実体験を元にした漫画を発信しているここみさん(
@cocomi_3
)。2022年8月には初の著書となる「私は私を幸せにする方法を知ってるんだ」を刊行し、多くの共感を呼んでいる。

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【書籍より引用】
幼少期から集団の中にいると、いつもどこか緊張していてぎこちない。なんとなくまわりから浮いていて、でも1人の時間と家族といる時間だけは、自分らしくいられた。そんな自分を変えたくて無理をする日々。人生が合っていないような、ぬぐえない違和感…。頭と心と体がちぐはぐなまま生きていた。
ある日、自分が「内向的」で「HSP」だということを知ると、今までズレていた人生のピントが初めて自分に合った気がした。これは「私が私を取り戻す」までのキロクである。
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人によっては「あるある」と共感したり、「へ~」という新発見があったり、はたまたクスリと笑えたり、ほっこりしたりもしてしまう…。そんなエピソードをお届けしていきます。今回は、苦手があるからこそ感じられた小さな幸せについて。






苦手があるからこその発見
数年前に比べると今はIT化が進んでいます。世の中のIT化と内向的やHSPの人とは相性がいいのかもしれません。
漫画に描いたこと以外にも、例えば…
・さまざまな契約や解約が家にいながらネットでできるようになった
家からでなくていいのは楽だし、電話が苦手な私からしたら最高です。
・SNSを通して家から世界と繋がれるようになった
内向的な人は話すよりも書く方が自己表現しやすいといいます。SNSはまさに書くことで伝えることが多い場所なので、文章を通して人と交流したり自分の作品を発表したりすることのハードルが下がったと思います。
・キャッシュレスが普及してきてレジで焦る心配がなくなった
レジで小銭を出したりして慌てるのが嫌で毎回ほんの少し緊張していたのですが、キャッシュレスになってからその緊張がほとんどなくなりました。
このように日常に溶け込んでいるものも、改めて考えると数年前よりずいぶんと便利になっています。私はその便利になったものたちに、日々「便利」以上の感情を持っています。それは、感謝というか、喜びというか…とにかくこの時代に生きていてよかった!とまで思うのです。
大げさかもしれませんが、日常にひそむささいなストレスが解消されるというのは、日々の豊かさにつながります。そしてきっといろいろな「苦手」があるからこそ、それを克服してくれるシステムなどに対する感謝や喜びが、より深いものになるのだろうと思います。
それにささいな出来事は日常に本当にたくさんあるので、その1つ1つに喜びを見つけ噛み締めていくことは、自分の幸福度をあげることに繋がるのかもしれません。
内向的やHSPの人にはきっとたくさんの、活かして伸ばしていける良いところがあるのでしょう。それらに自信をもって、伸ばしていく気持ちも大切だと思います。
でも「良いところ」とかってどうしても人と比べてしまうので、自信を持つにはハードルが高いし、折れやすくもあります。私は何事もハードルは低くしておきたいのです。その方が気が楽だから。
なので、私は「苦手があるからこそささいなことにより深い喜びを感じる」部分を大事にしたいと思います。これは誰かからの評価に関係なく自給自足できるものであり、弱みがあってこそ発揮できるものなので、ハードルが低い上に折れにくい、我ながら気に入っている考え方です。
自分の弱みは、同じ弱みを持つ人への共感と、他者の強みに対する感謝や喜びを生むのだと思います。もし自分の弱みがコンプレックスである場合は、相手への嫉妬が生まれたりもしますが、それが原動力になって苦手なことを乗り越えられたりすることがあるので、結局大事な感情です。
弱みはいろいろな感情を生む力を持っています。だから悲観せず、むしろ大切にしたいのです。そして自分が感じられる幸せを、しっかりと噛み締めて、育てていきたいと思います。