1500円で好きな人の部屋が覗ける?シールを見たら「マジ、見えたぁ!!」こっそり見てたら…気づかれた~(怖)【作者に聞く】
東京ウォーカー(全国版)
好きな人の部屋を覗いてみたいと思ったことはないだろうか?どんなテイストの部屋で、今何をしているのか…。そんなとき、黒魔術サイトで覗き見シール(1500円)を発見する。相手からは見えていることがバレない設計だが、「
全てを知られる
」ラストに戦慄が走る、兎屋まめ(@usayamame)さんの「覗き見シール」を読んで、涼しくなってみよう。
サイトで見かけた「覗き見シール」相手が見られているとわからない設計なら、ちょっとでいいから覗いてみたい!
好きな人の部屋を覗いてみたい、そんなタブーをちょっとだけ満足させてくれるアイテム「覗き見シール」。黒魔術サイトで見かけたシールは、1500円と手頃な値段で、黒目シールから白目シールを覗くことができるというもの。
白目シール側から黒目シールを覗くことはできない設計になっている。「魔除けとして部屋に貼っておいたら?」と白目シールを好きな子に渡すことに成功。家に帰って、黒目シールを覗くと…「マジだったあああ!」彼女の部屋がバッチリ見える。
視点を変えると、宮下さんがいた!部屋に入ってきた母親と少し揉めているようだ。口論する姿を見ていると…、主人公は見てはいけないものを見てしまった。それでも、こちらが覗いていることはバレていないのだから、心配することはないと思っていたがーー。
――まずは、本作を描いたきっかけを教えてください。
自分を売り込むために商業とは別で時々X用に漫画を作ってポストしているのですが、その際に好きなブラックな世界観の内容にしようと思い作りました。元々、黒魔術サイトにまつわる連作にする予定で、「
何でも紙幣
」と「
後押しチョーカー
」の3作があります。
――シールを媒介にして、覗き見してしまうというスタイルが怖かったです。描くうえでこだわったところがあれば教えてください。
この作品に限ったことではありませんが、短編ホラーを作るときは「怖いどんでん返し」を意識しています。あと、最後の宮下さんの表情はこだわりました。いろいろ描いてみましたが、最終的に普通に描いたものをデジタル漫画ソフトのクリップスタジオのゆがみツールを使って、不規則な感じに変形させて不安定感を出しました。
――女の子のキャラクター設定など、裏話をお伺いできますか?
優等生な女の子にも誰も知り得ない闇がある、というコンセプトで作りました。宮下さんは回を重ねるごとに闇が深くなっていく予定でした。2作目の「何でも紙幣」にその後の宮下さんが出てきます。
――そのほかにどのような漫画を描いていますか。
普段は仄暗い漫画をメインに作っていますが、近々「わたしのお母さん」というヒューマンドラマ系の商業連載が始まります。連載開始時期や掲載誌などは近日発表しますので、拙作に興味を持って頂いた方は、兎屋まめのXをフォローして頂けるとうれしいです。
兎屋さんは「黄昏ヘンテコ奇譚」「妖の運び屋」などの書籍を出版するホラー漫画家。好きな人の闇落ちを共有してしまったラストに背筋が寒くなる。兎屋さんの好きなホラー映画や漫画家は、「映画はクリーチャーがストレートに出てくる洋のホラーより、じんわり恐怖が侵食してくるような怪談めいた和のホラーが好きです。「残穢」や「女優霊」あたりでしょうか。好きな漫画家さんは、伊藤潤二先生です」と語るように、細部の伏線がラストでうまく回収される。
取材協力:兎屋まめ(@usayamame)
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