名前を呼び合うだけでちょっと特別な存在に。うつ病を経験した作者の思いが詰まった「そばにいてくれるきょうりゅうさん」【作者に聞く】

自身がうつ病になったときのことを描いた「入社1ヶ月でうつ病になった話」や「元カレに浮気された話」などのエッセイ漫画、オリジナルキャラクターのきょうりゅうさんが登場する創作漫画「そばにいてくれるきょうりゅうさん」などをSNSやブログで発信しているはんなみ(@yowai_daihyo)さん。辛い経験を赤裸々に描いた作品に、「救われた」「私だけじゃなくて安心した」「休む勇気が出ました」などのコメントが寄せられ、優しい絵のタッチに癒やされる読者も多い。

ウォーカープラスでは、はんなみさんがこれまでに体験したり、感じたりしたことをベースに描かれた創作漫画「そばにいてくれるきょうりゅうさん」を完全リメイクし、連載をスタート。SNSやブログで発信してきたストーリーを踏襲しつつも、新しいエピソードを入れ込みながら展開していく。

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第3話となる今回は、一緒に住むことになった女性(せつな)ときょうりゅうさんがお互いにどう呼ぶか話し合う話。女性を「せっちゃん」と呼びたいと言うきょうりゅうさんに、せつなは「幼少期を思い出す」と言うが―。作者であるはんなみさんのコメントと共に紹介する。

名前も“十人十色”の一つ

――女性(せつな)は人間でも動物でもないきょうりゅうさんを特に混乱することもなく受け入れていますが、何か理由があるのでしょうか?

「本当にしんどいときって判断力が鈍るので…。この作品では、『しんどくてしんどくてもう他のことに目を向ける余裕がないとき、そばにいてくれる存在がいたとしたらどれだけ救われることか』『そんな都合のいいものいないけど』そういった思いもあり『恐竜』という身近にない生き物を選びました。『もはやなんでもいいからそばにいてほしい』という強い思いが、作中のせつなのきょうりゅうさんに対するあの対応に現れたのかもしれません」

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――せつながきょうりゅうさんへ名前をつけるとき、さまざまな名前の候補が出てきますが、どのように連想されたのでしょうか?何かモチーフやイメージなどあれば、そちらも教えてください。

「聞き馴染みのある名前を連想しました。私昔からペットなどの名付けが得意じゃなくて、なんか一癖ある名前ばかり選んじゃってて…。最近、『動物病院などで名前を聞かれた際、言いにくい名前じゃないか』って意識をしていて、名前は?って聞かれても照れずに噛まずに『〇〇です!』って言えるかどうかに重点を置いています。その結果、黒猫を『クロ』って呼んだり、ワンちゃんを『ぽち』って呼んだりと、聞き馴染みのある名前を選んじゃいがちですが(なんか話が横道逸れてしまいました…)」

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――女性の名前が「せつな」だと聞いたきょうりゅうさんは、なぜ「せっちゃん」と呼ぼうとするのでしょうか?

「あだ名ってなんか特別感あって好きだからです!友達の友達とかで、距離を縮めようと思ったとき『友達が呼んでるあだ名』ですぐ呼んじゃうんです私。馴れ馴れしいって思う方もいらっしゃると思うんですけど、私自身もあだ名で呼ばれると親しみが生まれて話しやすくなったりするので。でもきょうりゅうさんみたいに、最初の印象に引っ張られて失敗に終わっちゃうこともあるのでそんなイメージで描きました」

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また、はんなみさんに今回の話で読者のみなさんへ伝えたいことを尋ねると「長々と話しちゃいましたが、名前って仲良くなれるアイテムの一つで、例え同じ名前でもいろいろな意味が込められてて好きなんです。十人十色の一つだなって。一人一人、同じ人間なんていないし個々を尊重する意味も込めて、名前って特別なものだと思っています」と話してくれた。

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