「孤独って体に悪いのね」孤独なおっさんがつかんだ意外で温かい結末…“孤独の予防”って何?【作者に聞く】
東京ウォーカー(全国版)
「昨日たまたま観たテレビでさー」というOLのおしゃべりから、この漫画はスタートする。OLたちは「人間関係のストレスが健康寿命に関係する」という一説について話に花を咲かせていた。「結局、孤独がいちばん体に悪いのねー」と楽しげに話す会話を、主人公の男性はこっそり聞いていた。
「孤独…か」とつぶやいたのは、40歳独身のしがないサラリーマン・岩倉。彼女も親友と呼べるような友人もいない。昼休みにOLたちの会話を聞いたことで、今まで気付かないようにしていたが、自分はこの現実世界で「誰からも愛されていないんだよなぁ~」ということを実感してしまった。
そんな彼が「俺も誰かに愛されたい」と一念発起する。とはいえ誰でもいいってワケじゃなく…「こんな俺にも好みや欲はある!申し訳ないが…」と世の中に謝罪しながら、出会いを求めて動き出すことに!しかし、結婚相談所やマッチングサイトを検索するも、検索するだけで「怖いなぁ」と萎縮してしまう。岩倉いわく「怖いのは女の子だけじゃないんだよ、おっさんだって怖いんだよ」。
早くもくじけてしまった岩倉だったが、翌日会社の若い後輩から合コンに誘われる。どうしても40歳以上の人をひとり入れてほしいと女の子サイドから頼まれたといい、「なんかおじさん好きの子がいるらしいんスよー」とのこと。「若い子がおっさん好きなんて怪しい」といぶかしがるが、とりあえず参加を決意。その席で良くも悪くも、思い描いていた出会いとはまったく異なる、意外な人物との想定外の出会いを果たし、岩倉の人生が動き出す…!!一体、岩倉はこのあとどうなってしまうのか…?全40ページのこの作品に込めた思いや、ストーリーの見どころについて、作者である國里さんに話を聞いてみた。
――「結局孤独がいちばん体に悪いのねー」というOLたちのおしゃべりからこの物語はスタートします。このセリフはグサリときますね!
漫画の後半に「やさしくないほうが生きるのは簡単だ」という台詞があるのですが、それを描きたかった作品です。人はみんな誰かに愛されたいし、やさしくされたい。だから人にやさしくするのも見返りを求めている面がどこかにあると思います。人に愛されることもやさしくされることも一切求めないなら、きっと人は他人にやさしくしないし、思いやりや配慮もせずに自分勝手に生きていくのはラクだと思います。でも孤立はしますよね。なので孤独しないためにもやさしく生きることは大事だなと…!
――國里さんが考える、タイトルにもなっている「孤独の予防」とは?
この主人公は受け身すぎてやさしさを自分からは出せませんでした。それが合コンで出会った女の子に対しては“心配”というやさしさを相手に伝えることで、新しい関係性を築けました。性別や年齢関係なく、そういう相手を作ることが孤独の予防になるのかなと思っています。
――主人公の“勝手な見解”によってシミュレーションされた結果、「おっさん好きの女子」が「若さしか取り柄のないブス」という飛躍した解にたどり着く図説がかなりおもしろかったです。國里さん考案ですか?
大変失礼な図説になってしまいましたが、おもしろく受け取っていただけてうれしいです。図説も主人公の思考も全て私の手が勝手に描きました。漫画の中では岩倉を安心する結論に落ち着かせるためと、テンポよくギャグっぽくしたかったので、あのように極端になりました…すみません。そうでも思わないと理解できない、という岩倉の気持ちを誇張した感じです。
現在は新作の予定はなく、不定期で作品をSNSにアップしている國里さん。「フォローして下さっている方々には不定期すぎて申し訳ない」という國里さんだが、「読んで下さる人がいることにいつも感謝でいっぱいです」とのこと。pixiv内には過去作品が収納されているので、ぜひ覗いてみよう!
取材協力:國里
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