俺は「発達障害グレーゾーン」と「HSP」どっちなの?“2つの特性”を持つ漫画家が作品に込めた思い「生きづらさに絶望するのはイヤ」【作家に訊く】
「発達障害グレーゾーン」の特性を持つクロミツさん(@kuromitsu1510)。先般、「甘え」「怠慢」と世間から疎まれる“生きづらさ”を描いた作品『灰低カタルシス グレーゾーンダイアリー』を2023年12月20日に発売したばかりの注目の漫画家だ。
“生きづらさ”を漫画にして描いているクロミツさん(
@kuromitsu1510
)。自身の特性と向き合う中で、新たに「HSP(感受性が強く敏感な気質もった人)」なのではないかと感じるようになったという。そんな2つの特性で疲弊する日常を描いたクロミツさんの漫画を紹介しつつ、クロミツさんに本作への思いを聞いた。

HSPは「“自分の性格の問題”と片付けられがちですが、決してそれだけではない」




“発達障害グレーゾーン”だけでなく、自身に“別の特性”があると気づいたきっかけを尋ねると、クロミツさんは「
些細なことを考え過ぎたり、過去の失敗を引きずったりすることがあって、これは自分の性格の問題だと思っていました。
SNSを見ていると、自分と同じような悩みを抱えている人はたくさんいて、そのなかから『HSP(感受性が強く敏感な気質もった人)』という言葉を知り、これは正に自分だと思いました。ただ、物事への理解に時間がかかる『発達障害グレーゾーン』と『HSP』は特徴が似ているので、“併発”という表現が正しいかどうかは今でもわかりません
」と告白。
また、「
『HSP』の特徴の中で、自分にもっとも当てはまったのが“叱責に対して過剰に萎縮する(叱責萎縮)”という項目です。何かやらかして怒られたりしないか不安になったり、自分だけではなく、他人が叱られている場面も自分のことのように苦しくなります。周りからは“自分の性格の問題”と片付けられやすいのですが、決してそれだけではないような気がします
」と、気の持ちようでは片付けられないことを強調した。
その一方で、X(旧:Twitter)には“叱られることへの苦手意識”を持った人から多くの反響が寄せられたそう。クロミツさんは「
いま描いている漫画は『発達障害グレーゾーン』がメインテーマですが、『HSP』による叱責萎縮問題はどうしても描いておきたかったので、改めて描きました。生きづらさに絶望するのはイヤなので、そのなかでできる“対策案”や“改善案”を、読者の皆さんと一緒に考えていきたいです
」と、本作を通して伝えたいことを明かしてくれた。
画像提供:クロミツ(@kuromitsu1510)