知らぬ間に陥ってしまった“作り置き疲れ”…。体力がない私にとってベストな作り置きとは?「心曇る日は ご自愛ごはんを」【作者インタビュー】
つらくても「食べる」、「食」を通じて心の病から少しずつ自分を取り戻していく、そんな経験を描いたコミックエッセイ「心曇る日は ご自愛ごはんを」。連載第7回目は、時間があるときにまとめておかずを作る「作り置き」。ごはん作りが楽になるイメージがあるが、実際にやってみるとかなり時間がかかってしまう。体力がない人にとってベストな作り置きとは?
会社員として忙しくも充実した日々を送っていたある日、ふとした仕事のミスをきっかけに体調を崩してしまった作者のうめやまちはる(
@umeyama_chi
)さん。病気がもとで退職したあと、結婚。専業主婦をしながら回復に専念するも、なかなかよくならないことに不安を感じていた。病気の症状とわかっていても「あたりまえにできていたことができない」せいで、どんどん自信を失っていく。そんなとき、そっと寄り添ってくれたのは毎日の「食卓」だった。生きるために食べる。食べるために料理をする。そのささやかな繰り返しに、少しずつ心がほどけていく。

うめやまさんが自身の経験をもとに綴った本作は、第11回新コミックエッセイプチ大賞を受賞。「食」を通して取り戻していく日常の中に、大切な何かをきっと見つけることができるはず。
「おかず作りが楽になる!」と始めた作り置きが体調悪化の原因に?
SNSで見た作り置きレシピを見て、「普段のおかず作りが楽になりそう」と思ったうめやまさん。早速挑戦したものの、全品を作るのに5時間もかかり、翌日に寝込んでしまう。それでも「おかずのストックがあれば体調の悪い日もカバーできる」と作り置きライフを続けていたが、だんだんと疲れがたまってきて…。




SNSで見たおかずいっぱいのおしゃれな食卓に憧れるけれども、今の自分には5時間もキッチンに立つ体力はない。うめやまさんは、自分に合った作り置きメニューを編み出すことにする。



疲れすぎない、がんばりすぎない作り置きメニューとは?
人と比べて焦ったり、落ち込んだりすることが多かったうめやまさん。しかし、自分の心や体を大事にした考え方に切り替えた瞬間、心がぽかぽかと温かくなるのを感じた。今回のエピソードのテーマとなった「作り置き」について、うめやまさんに聞いた。
――普段の料理はレシピ本を見て作っているのでしょうか?今夜のメニューのヒントなどはどこから得ていますか?お気に入りの本や料理研究家、ブロガーさんなど参考にしている人がいれば教えてください。
我が家は定番のおかずが決まっていて、同じものを繰り返し作ることが多いです。SNSや本を見て新しい料理にチャレンジすることもあります。藤井恵先生や、ウー・ウェン先生のレシピが好きです。



――ほかにも、疲れすぎない、がんばりすぎない、お気に入りの作り置きメニューがあれば教えてください。
基本的には普段のおかずを多めに作って次の日の作り置きにしています。最近ハマっているのはキャベツと油揚げの煮びたしで、具材をざっと切ってだし・しょうゆ・みりんで煮るだけで簡単にたくさん作れておいしいので大好きです。
料理が得意な人も、そうでない人も、ふと作ってみたくなる、食べてみたくなるような心に沁みるレシピが登場する「心曇る日は ご自愛ごはんを」。今後も連載形式でお届けしていく。
取材協力:うめやまちはる(@umeyama_chi)