【交際0日婚!?】恋愛不要な男女が、オタ活にすべての労力を振り切るためだけに偽装結婚したら？【著者インタビュー】

同人誌を描きたい女と漫画家になりたい男が、交際0日で入籍した！お互い漫画に没頭できるというメリットしかない結婚の行方は？砂履シンシャ(@shisenraran)さんの「オタ婚のススメ！(快適なオタ活を求めて交際0日結婚した男女の話)」を紹介するとともに著者に話を聞いた。

恋愛よりもオタ活をしていたい！利害が一致した2人は即日結婚を決めた

婚姻届を役所に提出。人生のなかでも一大イベントの「結婚」のはずが、男女ともに浮かれていない。なぜなら、2人は「交際0日婚」。お互いの利害関係が一致したことで、結婚しただけだからだ。

出会いは、お見合い。両親のすすめで顔合わせをすることになったが、双方ともに断るつもりでいた。涼太は、定期的な収入に乏しい漫画家のアシスタントであることを主張し、「絵が描ける、すねかじりニート」だと自身を紹介。

涼太が「漫画にしか興味がない」というと、相手の明美は「奇跡かも！」と2人の出会いにただならぬものを感じた。なぜなら、明美は、社会人兼同人作家。休みの日は、同人誌のための漫画を描いていたいからだ。「漫画を描きたい」2人が結婚すれば「親からの圧もなくなり、漫画だけに集中できるはずだ！」と、交際0日で結婚を決めた。

交際0日婚!?付き合ってなくても結婚生活は楽しい？

――本作を描いたきっかけを教えてください。

去年の9月に連載していた作品が打ち切りで終了になった際に、もっと描きたい描写や伝えたい描写があったことをXでポロリと呟いた際に、編集者さんが「その視点で漫画を描いてみないか」とお誘いいただき、そこからアイデア出しや企画練りがスタートしました。

最初の走りだしは、「男女が結ばれた先の関係の維持をテーマにしたものを描く！」というところからでした。そこから、「ほぼ強制的に関係性ができた方が、よりおもしろいのではないか？」という話になって「お見合い交際0日婚をする男女で描こう！」となって、肉付けされていったら｢オタ婚のススメ！｣になっていった感じです。

――キャラクターを作るうえで、意識したことはありますか？

今、それこそ結婚を意識するような年齢を迎えている世代が抱える悩みや欲求を表現できるキャラにしようというところを意識して2人のキャラを設定しました。

自分がそういう年齢だからこその肌感覚とはいえるのですが、まわりの友人の話を聴くと、「年齢的に結婚を意識して、なにかしなくてはならないのではないか」といった危機感はあれど、人と一緒になって今までの自分の趣味を邪魔されたり、やりたいことを阻まれるのは無理だから、やっぱり結婚したくない。だけど孤独も同時に感じる…。という意見が多いことに気がつき、「じゃあ、どっちも満たせる関係性を漫画で描こう！」と思ったので、結婚を意識するような年齢でかつ、趣味をとても大事にして生きてきた男女にしました。

――2人の漫画家特有の専門用語のやり取りがおもしろかったです！砂履シンシャさんが印象に残っているシーンはどこでしょうか？

個人的には1ページ目の複写式の婚姻届をもらって、「いらね～」と思ってる2人です。結婚してラブラブな2人ではなく、ある程度の距離感があることを示したくて、最初でそれを伝えられるよう試行錯誤したので印象に残ってます。

――漫画を読んでいるとオタ活同志の結婚も悪くなさそうです。本作は第1話ということですが、続きはどちらで読めますか？

カドコミでの新連載なので、 こちらで隔週更新 していきます！応援よろしくお願いいたします！

――今後の展開は？話せる範囲でかまいませんので、教えてください。

「こんなふうに趣味を大事にできる夫婦生活なら、してみたいかもな」って思えるお話を描いていきます！

――そのほかにどのような漫画を描いていますか？

商業、同人どちらもやりますが、いまは商業に力をいれてます。単行本は、｢エロ漫画家おねーさんとお疲れリーマン｣(新潮社)全2巻、｢夢ヶ原さんは夢見がち！｣(双葉社)1巻、｢同じギルメンの声が好き｣(ナンバーナイン)1巻が発売中です！ご興味持たれましたら、ぜひチェックしていただけるとうれしいです！

取材協力：砂履シンシャ(@shisenraran)