ファンタジーの欠けらもない…「勇者じゃなくて業者だった」定番テーマを斬新な切り口で描く4コマ漫画に大反響【作者に聞く】

選ばれし勇者でしか抜けない伝説の剣。けれど、現代の“勇者”の形はさまざまあって…!?津夏なつな(
@tunatu727
)さんは、漫画経験ゼロから「4コマ1000本ノック」と題し、X上で毎日オリジナルの4コマ漫画を投稿し人気を博すクリエイター。その作品の1つ
「抜けない剣」
は、一説にはアーサー王伝説のエクスカリバーに由来するともされる由緒正しき伝説にのっとったシチュエーションを描いた作品だ。
「勇者にしか抜けない」と言い伝えられている剣を見て抜き出そうと動き始めたのは、作業着姿の一団。工具やジャッキを駆使して見事抜き出してしまうというオチに、「ゆ、勇者…ですよね」「現場の勇者とも言えなくない」「ファンタジーの欠けらもない」と、9900件超のいいねとともに読者からのツッコミが多く寄せられた。
津夏さんが作品と合わせてX上での反響もまとめた無料の電子書籍
「4コマ1000本ノックベストセレクション~みんなのコメント付き~」
にも収録される同作。「4コマ界隈ではメジャーなテーマの一つ」と本作のネタについて語る津夏さんに、定番のシチュエーションをどう味付けしていったかや、読者からの反響への思いをインタビューした。
定番ストーリーでもいろんなアプローチがある。読者コメントが新たなアイデアの源に。



本作「抜けない剣」で描かれている「勇者にしか抜けない剣」という定番のテーマは、これまで多くの作家があつかっており、剣の場所や抜けない理由、抜く方法など、さまざまな視点から描かれてきたが、今回、作者の津夏なつなさんは、その中でも「どう抜くか」という一点に焦点を絞ったという。「これに関しては私の普段の仕事で得た経験が生きました!あらゆる工具を駆使して伝説の剣を抜く方法を仕事中に考えているときは楽しかったです(笑)」と振り返る。
読者からの反響は大きく、作品とともにX上での反響もまとめた無料電子書籍を出している津夏さん。数あるコメントの中で、津夏さんが特に印象に残ったものは「勇者じゃなくて業者だった」というコメントだという。「あらゆる現場に現れて依頼人の問題を解決していく業者さんは本当にカッコいいので、そのことが伝わって何よりです(笑)」と話してくれた。
読者コメントが新たなアイデアの源になることも多く、「勇者にしか抜けない剣」をテーマにした作品は、本作以外にも何パターンか描いているという。津夏さんは「同じテーマでもいろんなアプローチができておもしろいなと思います」と創作のおもしろさについて語ってくれた。読者との双方向のやりとりが作品世界を広げる原動力となっているのかもしれない。
本作以外にも面白い4コマが多数あるので、ぜひ読んでみてほしい。
取材協力:津夏なつな(@tunatu727)
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