「祝英台が高校生に?」「青髭がラスボス化?」 神話×漫画の化学反応に読み手もびっくり!古典のぶっ飛びアレンジがクセになる【作者に聞く】

1700年前の中国がまるで現代の高校のよう!少女漫画テイストで昔話をアレンジ

ゴールデンウィークのおうち時間のお供に、おでかけの移動中に、スマホやタブレットで手軽に読める漫画はぴったり!本記事では、編集部おすすめの漫画作品をピックアップして紹介する。今回取り上げるのは、世界各地の神話や民話、古典文学や歴史上のエピソードを、さまざまな漫画家が自身の画風や個性を活かし少女漫画風に仕立てた「昔の芸術を<少女漫画風に>つぶやくよ」だ。

※一部ショッキングなシーンがあります。心臓の弱い方は閲覧をご遠慮ください。
※本記事は発売中の「昔の芸術を〈少女漫画風に〉つぶやくよ」から一部抜粋・編集しました。

現代漫画のフォーマットで、世界の昔話の見え方が一変する

同シリーズは、SNS上で古今東西の昔の風俗知識を投稿し、「ヤスダコーシキ」名義で「絶対刺さる! 愛と官能の名画」(さくら舎)などの著作がある「昔の芸術をつぶやくよ」 (@LfXAMDg4PE50i9e) さんが名画や民話などからピックアップした世界中の残酷な話を原案に、物語ごとに異なる漫画家がコミカライズしたものだ。

梁山泊と祝英台P3-1原案=昔の芸術をつぶやくよ、漫画=CHIHIRO


たとえば「梁山泊と祝英台」は、中国では有名な民話。東晋の時代、「学問を学ぶのは男性」という風潮の中、男性に装って家を飛び出した娘・祝英台と、そうとは知らずに友人として親しくなる梁山泊の物語。東晋があったのは今から約1700年前、日本で言えば古墳時代が始まった頃。それをCHIHIROさん( @chihiro21865527 )が、まるで現代の高校生活のようにライトなテイストで描くギャップにニヤリとする。

梁山泊と祝英台P4-1原案=昔の芸術をつぶやくよ、漫画=CHIHIRO

一方、グリム童話と並び民間伝承をペロー童話としてまとめたシャルル・ペローの作品の1つ「青髭」は、結婚相手の富豪が、実は“自分の妻”をターゲットにする連続殺人鬼であった――、という童話にしてはショッキングな話。

青髭P1原案=昔の芸術をつぶやくよ、漫画=棘茸bot


この物語をコミカライズしたのは棘茸botさん (@togekinoko12) で、恐ろしい殺人鬼でありながらどこか“強敵”のように描かれた青髭が、暗い物語にアクションやバトル漫画のテイストを加えている。

青髭P9原案=昔の芸術をつぶやくよ、漫画=棘茸bot


原案のヤスダコーシキさんも、「(梁山泊と祝英台)はすっきりした絵柄がとてもストーリーに合ってると思いました」、青髭は「勧善懲悪的なおとぎ話である青髭には、動きのあるこの絵柄がぴったりだと思います。ジョジョや北斗を読んで育ってきた世代なのでやはりアクション漫画は血が湧きますね」と、物語ごとに担当する漫画家が違うことへの感想とその効果を語る。

梁山泊と祝英台P9-2原案=昔の芸術をつぶやくよ、漫画=CHIHIRO


また、漫画としてアレンジされた演出や小道具も翻案作品ならではの魅力。「梁山泊と祝英台」ではプロポーズにバラの花束を携えるという少女漫画のお約束が描かれているが、ヤスダさんによれば「中国には六令という婚姻の儀式があったそうです。この令のうち「納采(のうさい)」の儀で礼物を送って婚姻の意志があることを示し、いざ婚約が成ると「納幣」という儀式でお互い礼物を送りあったとか」とのこと。その礼物も反物や宝飾品ではないかと話すように、「あれ?」と思ったポイントを手がかりに、当時の時代とのギャップを見比べるのも一つの楽しみ方と言えそうだ。


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