【嫁イビリ事件簿】予定していた新居を義母が勝手に変更!!まさか夫も共犯…!?義母の目的とは…？【作者に聞いた】

2025年6月6日

これでもかと嫁をイビリまくる毒義母に、一見優しそうだけどドケチで超自己中な夫…そのリアルすぎるストーリーが話題を呼んだ漫画『義母クエスト』。それらのエピソードがさらにパワーアップして、昨年末、漫画『義母クエストリターンズ～ヤバすぎる義母との負けられない30年戦争～』として帰ってきた！

前作に引き続き、『義母クエストリターンズ』の内容はAmeba公式トップブロガー・かづ(@kadu0614)さんの実体験に基づいたもの。今回は、壮絶な人生を生き抜いてきた原案者のかづさんと、迫力ある作画でストーリーの魅力を引き出している、漫画担当の赤星たみこ(@tamikong)さんに話を聞いた。

【漫画の本編を読む】『義母クエストリターンズ～ヤバすぎる義母との負けられない30年戦争～』

2人の息子が独立し、現在は夫と猫と穏やかで満ち足りた生活を送る還暦を迎えた主婦・かづさん。しかしこの幸せな生活を手に入れるまでには、壮絶な闘いの日々があったという。

看護学生だったかづは、病院実習中に出会った秋彦から好意を寄せられ、付き合い始めてすぐに結婚を決意。幸せな結婚生活を夢見たのも束の間…結婚直後から義母による、まさかの嫁イビリがスタート！子どもに恵まれ、穏やかな生活が続くと思っていた矢先にある事件が起こる。便利な場所にある市営住宅に申し込みをしていたはずが、当選した住宅はまさかの義母宅の近く!!なんと、義母が勝手に申し込み先を変更していて…。

かづさんと赤星さんに話を聞いた

コミック『義母クエストリターンズ』の原案者であるかづさんと、漫画を担当した赤星たみこさんの両者に話を聞いた。

――作中で、市営住宅の場所を義母が勝手に(義母宅近くに)変更していたというエピソードがありますが、夫の秋彦さんはそのことはご存じだったのでしょうか？

【かづ】なんでもペラペラ義母に言いつける夫が「申し込むつもりだ」と義母に話し、「じゃあどうせ申し込むなら(義母宅の)近くにしなさい」となったようです。夫も私の実家から遠くなるうえに自分の実家から近いほうが、何かと便利だと思ったんでしょうね。当時は(義母宅近所の市営住宅へは)交通の便も悪かったので、すぐに当たると思っていたようで、案の定、初回の申し込みで当選しました。今で言うなら、孤立させて言いなりにさせる作戦だったのでしょう。

――作中では、秋彦さんの実家はお金持ちだったのかな？と思うような場面がありますが(単に見栄っ張りだっただけかもしれませんが)、秋彦さんとかづさんの新居を市営住宅以外で用意してあげよう…みたいなことにはならなかったのでしょうか？

【かづ】義母は、私たちが結婚して数年は結婚したことを夫側の親戚に伏せていました。ですから義母からしたら息子がどこに住もうが、誰にも知られることがないから大丈夫だったんですよ。それに、義父母の兄弟姉妹の子ども(夫のいとこたち)が家を買う際には、義母曰く「皆、親に頭金を出してもらった親がかり」だったらしく、私たちがマンションを購入した際は「うちの息子は自分の金だけで買った！」と親戚に自慢したそうです。そして、(義母がかづさんたちの住宅を用意しようとはしなかった)理由の1つとして、息子や孫の物を買うのは平気だけれど、家は嫁も住む物なので嫁のためにお金は使いたくないと言うのがあったようです。

現に結婚記念日のプレゼントはワインだったり(私は下戸)、外食に連れて行ってはくれても私だけ注文させてもらえず、義父母の食べ残しを食べろと言われたりしました。もう本当に、気持ちのいいほど一貫して「自分にとっていかに利になるか」が一番でしたね。

――本作では「夫婦」の在り方についても考えさせられるところがあります。赤星さん流の、夫婦円満の秘訣を教えてください！

【赤星たみこ】私たちの結婚は、「この人と一生添い遂げよう！」と頑張るのは無理だから、とりあえず1年間は頑張ってみるか、という軽い気持ちでスタートしました。ほぼ40年近く、途中で嫌になることもありましたが、嫌なことは相手に伝え、それを聞いて反省したり考えを変えたり、基本は話し合いで解決してきました。

あとは、うちは夫がある程度、家事ができる人だったのは幸いでした。ただ、それでも長年家事をやってきた私から見ると、いわゆる「男の家事」で粗も目立ちました。洗濯物を干すときシワをのばさず干すのでタオルやTシャツの裾がグシャグシャになってしまうとか、コーヒーカップの茶渋を落とせない、靴下を丸めてソファの下に隠す、食器を下げない…などなど。それでもたまに食器を流しに持って行ってくれたらすかさず「ありがとう！助かる～！」と感謝することにしていました。そうしたら3年後には食器を下げることが確実にできるようになったんです！カップ麺を作ったら「おいしい！さすが！なぜかあなたが作るほうがおいしいんだよね、タイミングがいいのかなあ」などと感謝すると、次はカップ麺が袋麺になり、そのうち中華料理にまで発展しました。

1つのタスクをやってもらうのに3年～5年はかけるつもりで、「感謝して伸ばす！」という風にやったおかげで、今では料理全般なんでもできるし、食器洗いも洗濯も掃除もゴミ出しもできるようになりました。これはやっぱり、言わなきゃ伝わらない、ということが大きいと思います。

――最後に、義母クエストリターンズの見どころをお願いします。

【赤星たみこ】『義母クエストリターンズ』、かづさんと義母の戦いは今の常識からは信じられないようなものですが、これを戦い抜いて今は悠々自適に暮らしている人が実際にいる！ということを胸にお読みいただきたいです。何でもかんでも我慢すればいいわけじゃありません。義母との闘いの時間と、たまに義母が来ないときの楽しい家庭の時間、夫をうまく操縦している時間(これは原作にも漫画にもあまり出てきませんが)、そういういろいろな時間のなかで「戦いの時間」をクローズアップして描いているのです。戦いながら、傷つきながら、自分を奮い立たせて毎日の生活をよりよくしようと頑張るかづさんの不屈の精神は、きっと多くの人に勇気を与えると思います。

壮絶な状況に立ち向かうかづさんの行動力と人間力、さらにそれを臨場感あふれる絵や展開で表現している赤星さんの漫画…2人の強力なタッグにより、読み応え抜群の漫画となっている『義母クエストリターンズ』。まだの人は、ぜひ読んでみて！