セルフレジを批判するお客→「いつまでもアップデートされないのは客の意識」セルフレジが抱える“見えない課題”【作者に聞く】

2050年問題の1つとして挙げられているAI化。パターン化できる仕事の多くはAIに代替されると言われている。近年、スーパーやコンビニで導入が進む「セルフレジ」もその1つだ。自分でバーコードを読み取って決済する方法だが、セルフレジの導入で有人レジがなくなった店舗もあり、これに異論を唱える人もいる。そんなセルフレジをめぐる人々の葛藤を描いた、狸谷さん(@akatsuki405)の『ヒャッキン店員のひとりごと』を紹介する。
「一見暇そう」セルフレジ監視員が抱える仕事量



セルフレジをうまく扱えない客から、「有人レジも入れろ」という強い要望があるそうだ。セルフレジの監視を行う店員が近くに立っているが、レジ打ちをするわけではないため、クレームを言われることも少なくないようだ。一見暇そうに見えるが、実際はセルフレジを監視しながら、操作方法を教えたり、トラブルを処理したりと、1人で数台のセルフレジを管理するため、仕事量は有人レジのときよりも増えるという。
同業者からは「音声ガイドぐらい付いている性能の良いセルフレジを導入してほしい」というコメントもあるが、狸谷さんの職場では「個人的に現在の職場のセルフレジは、割と使いやすいと思います。ただ特定の電子マネーだけが使えないので、有人レジで対応しています。その際の順番待ちで不満をぶつけられたりはします」と語っている。
ATMのように「当たり前」になるセルフレジ
本作のコメント欄には、セルフレジ賛成派が多く見られた。「バーコードがうまく読み取れなくて苦手だけど、でもちょっと楽しい」「有人レジが長い列で待たされているのを横目に、スッとセルフレジで会計を済ませるのは気持ちいい」など、使ってみると意外と便利で楽しいという意見が相次いでいる。
なかには「1人で買い物するときはセルフレジ。子どもを連れているときは有人レジ。使い分けが大事」といったアドバイスも寄せられた。ATMが広く普及したように、セルフレジも数年後には当たり前になるだろう。
「世の中はいろいろとアップデートされ、店員はそれについてアップデートする。しかし、いつまでもアップデートされないのは客の意識だけ」というコメントがあるように、時代とともにユーザーも意識をアップデートする必要がありそうだ。
狸谷さんによると、細かなトラブルは相変わらずあるものの、「最近はセルフレジを忌避するお客様は来店されなくなったのか、割と穏やかになりました」と、平穏を取り戻したようだ。
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■取材協力:狸谷(@akatsuki405)
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