【オカルト】亡くなった子猫の魂が宿る木?物悲しい迷信が込められた木の秘密に迫る話【作者に聞いた】
作画:尾花せいご
(@seishoobi)
さんと監修:西洋魔術博物館
(@MuseeMagica)
さんによる創作漫画『放課後おまじない倶楽部』は、迷信研究部に入部した少年と、不思議な雰囲気が漂う顧問との日々を描くオリジナル作品だ。
緻密で精細な絵とノスタルジックな絵柄に定評のある尾花さんの作画と、西洋魔術や西洋の魔物、伝承、迷信などの著書多数の西洋魔術博物館さんが監修した多彩な迷信やおまじないのエピソードが大きな魅力となっている同作。エピソードの紹介とともに、監修の西洋魔術博物館さんに作品内で描かれる伝承について詳しい話を聞いた。
3月のアーチェリー大会で自己新記録を出して、迷信研究部に無事入部した茶園さん。「年中無休で部活動して先生と思い出を作りたい」と意気込む茶園さんだったが、お茶会を開く雨野先生とお菓子を持参する栗丸君に温度差を感じてしまう。今日はどんな迷信・伝承に挑戦するか、雨野先生がいろいろ提案していると、太り倒した猫・ケットシーがむくりと立ち上がり、どこかへ誘おうとする。そのあとを追っていくとある場所に…。






監修・西洋魔術博物館さんに聞く「世にも奇妙なイースターの世界」
――キリストの復活を祝うイースターについての話が登場しました。教会消灯やホットクロスバンの配布以外に、現地の人たちが実施するおまじないや、風習はあるのでしょうか?
【西洋魔術博物館さん(以下、西洋魔術博物館)】現地の人といいますか、昔は英国国王が自ら十字架の前に五体投地し、匍匐(ほふく)前進するという習慣がありました。またこの時、治癒力を指輪に充填する手続きが行われます。






――春先に帽子を新調するとラッキー、という迷信が登場しました。こちらの解説をお願いします。
【西洋魔術博物館】昔はイースターの時期に洗礼を授かる人が多く、そこで新たな衣服に着替えていたのだそうです。帽子が強調されはじめたのは、19世紀のアメリカ、とりわけニューヨーク界隈とのこと。春に向かって帽子を新調したレディーたちが五番街で華を競う様子はさまざまなところで取り上げられています。





――ネコヤナギの花は、猫の国を目指して行き倒れた猫の魂、または亡くなった子猫の魂と言われている、というお話が出てきました。見た目が似ていることから発生した迷信でしょうか。こちらの補足解説をお願いします。
【西洋魔術博物館】これは悲しいお話なのですが、昔は生まれた子猫を邪魔ものとして川に流すことがありました。そういった子猫たちの魂が川辺に生えるヤナギに拾い上げられ、ネコヤナギに変化するという発想がベースとなっています。





――猫にまつわるかわいい迷信がほかにもあれば教えてください。
【西洋魔術博物館】・子猫が靴に入って寝ると幸せが訪れる
・猫をベッドに乗せる。そこから動いた方角に将来の伴侶が住む。猫がそのまま寝こんだらそれはそれで幸せ
・寝ている猫は幽体離脱していることが多いので放置するのが吉
猫は寝ているときが一番かわいいと思う人が多いようです。










――「マスコット」という言葉の本来の意味は「眼福を有する者」という意味だと紹介されていました。つまり見る人に幸せをおすそ分けするという意味にも捉えられるかもしれません。現代には、サッカーチームや野球チーム、ご当地キャラなどさまざまなところにマスコットキャラクターが存在します。マスコットの始まりについてもしご存じでしたら教えてください。
【西洋魔術博物館】マスコットはもともとフランスの地方語で「魔女」を意味していたといいます。この言葉が一般的になるのは1880年、オードラン作の喜歌劇『マスコット』 La Mascotte が人気を博したのがきっかけでした。この作品中で「悪魔が邪眼を持つ小悪魔を大量に生み出し、それに対抗して神がマスコットを世に送った」という伝説が語られていて、邪眼の真逆の性質すなわち「福眼」の持ち主をマスコットと称するようになったとのこと。さらにここからラッキーチャームもマスコットに分類されるにいたったと言われています。








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