専業主婦は「働いてる」とは言わないの?1歳と3歳の育児に追われる母が抱える“無収入”の後ろめたさと葛藤【作者に聞く】

専業主婦が「働いていない」といわれるの意味は?収入がないから?画像提供:みこまる(@micomalu)

家事や育児、介護など、家族の身の回りのお世話をする労働は、対価が支払われないため「無償労働」、いわゆる「ただ働き」といわれることが多い。しかし、実際にその当事者たちからは「不眠不休で働いている」「時給換算したらとんでもない額になる」という悲痛な声も聞こえてくる。 今回は、そんな専業主婦のリアルな心情と葛藤を描いた、みこまるさん(@micomalu)の漫画『専業主婦は「働いてる」とは言わないの?』を紹介する。

【漫画】泥だらけのスニーカーは育児の勲章だけれど、世間からどう見られているのか?画像提供:みこまる(@micomalu)

朝早くから夜遅くまで。「家族」のための無償労働は「働く」ということではないのだろうか?画像提供:みこまる(@micomalu)

感謝の言葉や日々の努力を認めてくれる誰かがいると、専業主婦も心が軽くなれるのかもしれない画像提供:みこまる(@micomalu)


「社会から疎外されている」専業主婦の孤独


主人公のサチは、1歳と3歳の子どもを抱え、日々奮闘する専業主婦だ。子どもの成長を見守りたいと自ら退職を選んだものの、社会の目は厳しく、肩身の狭さを感じている。「自分の選択は間違っていたのだろうか」という不安を抱えながら、イヤイヤ期やトイレトレーニングなど、休む暇もない育児に追われている。

自身も専業主婦だった経験を持つみこまるさんは、執筆の理由についてこう語る。 「子どもとたくさん触れ合いたいからとそのような選択をしたのに、どこか後ろめたい気持ちがありました。でも、果たして本当にそうなのかな?と。子どものために毎日弁当を作って送り迎えをし、出来るかぎり公園や子ども同士で遊ばせたり…実際、結構ハードな仕事だよなぁというところから話を描いてみようと思いました」 無収入であることに社会から疎外されているような後ろめたさを感じる専業主婦たち。みこまるさんの漫画は、そんな彼女たちの背中を優しく押してくれる。

「専業主婦は暇」という偏見へのアンサー


世間では「専業主婦に給与とかおかしい」「衣食住を賄ってもらっているのに」「暇そう」といった心ない声も聞かれる。育児や家事の大変さが可視化されにくく、「収入を得ていない」「ノルマがない」といった点が、楽をしているような印象を与えてしまうのかもしれない。

しかし、本作にはサチの頑張りを認めてくれる優秀な夫が登場する。 「創作なので、あの夫はとてもデキた人です!自分の妻が専業主婦だというご主人に、そういう気持ちを持って接していただけたらうれしいなぁと思います」とみこまるさんは語る。 お互いが「感謝」や「思いやり」を持って接することができれば、救われる心がある。読者からは「何か救われた!」「最高に価値あるものは無償」と共感の声が続々と届いている。

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