GO1選手がMVP受賞で涙「まさか自分が…」引退危機から復活した“格ゲー界の二刀流プレイヤー”【日本eスポーツアワード2025】
パシフィコ横浜ノースにて2026年1月12日に開催された日本eスポーツアワード2025。eスポーツアワードは、日本で開催されるeスポーツシーンにおいて年間を通じて活躍した選手、チーム、大会などを表彰するイベントで、今回で3回目となる。
各賞の受賞はすでに発表されており、日本eスポーツアワード当日は、受賞者の表彰と賞の授与、eスポーツ流行語大賞の発表、年間最優秀eスポーツプレイヤー賞の発表と表彰、賞の授与が行われた。各賞の受賞者は以下の通りだ。
eスポーツプレイヤー部門
MOBAプレイヤー賞
Evi選手/League of Legends、Obuyan選手/ポケモンユナイト、Rom選手/ポケモンユナイト、Vitoppo選手/ポケモンユナイト
シューティングゲームプレイヤー賞
Anitun選手/Rainbow Six Siege、JoxJo選手/VALORANT、Meiy選手/VALORANT、Nico選手/Overwatch2、YukaF選手/Apex Legends
格闘ゲームプレイヤー賞
カワノ選手/ストリートファイター6(以降:スト6)、高木選手/スト6、GO1選手/餓狼伝説 City of the Wolves(以降:餓狼CotW)・スト6、Laggia選手/餓狼CotW、LeShar選手/スト6
マインドゲームプレイヤー賞
たすく選手/遊戯王マスターデュエル、ゆうき選手/ぷよぷよeスポーツ、summertimer選手/TeamFight Tactics
スポーツゲームプレイヤー賞
武藤壮汰選手/iRacing、Tess選手/eFootball
ノンセクションゲームプレイヤー賞
Alf選手/IdentityV、DoLisu選手/IdentityV、Kznk選手/IdentityV
Under18eスポーツプレイヤー賞
ドラ右選手/大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL、ひなお選手/スト6、ゆうき選手/ぷよぷよeスポーツ、mkmldy選手/IdentityV
ライブエンターテインメント部門
ストリーマー賞
ドンピシャ、ボドカ、k4sen、SHAKA
VTuber賞
天鬼ぷるる、獅白ぼたん、dtto.
eスポーツキャスター賞
友田一貴/Shadowverse:Worlds Beyond、ハメコ。/スト6、鉄拳8、Jaeger/League of Legends
eスポーツオーガナイザー部門
eスポーツゲーム賞
Shadowverse:Worlds Beyond、ストリートファイター6、VALORANT
eスポーツ大会賞
CAPCOM CUP 11、Apex Legends Global Series、League The K4sen、VALORANT CHALLENGERS JAPAN、VALORANT Champions Tour
eスポーツチーム賞
REJECT、RIDDLE、ZETA DIVISION
審査員特別賞
野々宮ミカ
発表されるまで当人も聞かされていなかったという最優秀eスポーツプレイヤー賞は、GO1選手が受賞した。思わぬ受賞に感極まり、受賞コメント時には涙を流す一面も。昨年の段階でプロを引退するかどうか悩んでいたところ、プロゲーマーの仲間に継続を促され、もう一度挑戦する決意をしたとのことだ。一度、あきらめかけた状態からの再挑戦で、EWCでの『餓狼CotW』の優勝、『スト6』の5位入賞など好成績を残したのは、まさに本人も予想だにしなかった結果なのではないだろうか。
受賞後にメディア向けのインタビューの機会を得たので、受賞の喜びのコメントを掲載する。
――受賞おめでとうございます。MVPとなったお気持ちをお聞かせください。
【GO1選手】まさかMVPに選ばれるとは本当に思っていなかったので、非常に光栄です。うれしい気持ちで一杯です。ありがとうございます。
――GO1選手にとって、2025年のキーとなる大会はESPORTS WORLD CUP(EWC)だと思いますが、大会が終わったときの気持ちはどんな感じだったのでしょうか?
【GO1選手】新たなサウジアラビアがトップクラスの大会を作ってきて、気合いを入れて挑ませていただいた大会でした。EWCは『餓狼CotW』と『スト6』の2タイトルに出場することができましたが、どちらも好成績を残せたので、プロ選手を続けてよかったと思います。
――2025年はeスポーツアワードのMVPまで受賞したよい1年となりましたが、2026年はどんな年にしていきたいでしょうか?
【GO1選手】そうですね、先ほど言ったように私は、『餓狼CotW』と『スト6』の2タイトル、マルチタイトルで挑戦させていただいています。『餓狼CotW』は満足のいく結果は残せたと思いますが、『スト6』に関してはEWCの5位がマックスで、そこまでいい成績が残せませんでした。2026年は『餓狼CotW』はもちろん、『スト6』でもいい結果が残せるように頑張っていきたいと思います。
――マルチタイトルプレイヤーとしてはさらにプレイするタイトルを増やす予定はありますか?
【GO1選手】競技としてしっかりしており、プロ活動として成り立っており、私が挑戦してみたいというタイトルがあれば、選択肢を増やしたいとは思っています。
――MVPの受賞の時に涙を流されていましたが、どういったお気持ちだったのでしょうか?
【GO1選手】壇上でも少し話させていただきましたが、昨年の時点でプロ選手を引退することを考えていました。どぐら選手やKei.B選手など仲の良い友達やプロゲーマーなどに相談した結果、プロ活動を継続することを決めました。
そういった経緯の中、まさかこういった賞を受賞できたり、大会でいい成績を収められるとは思っておらず、そのことが思い出され、こみ上げてくるものがありました。泣くつもりは全然なかったんですが、涙が出てしまいました。
――プロを継続する理由はなんだったんでしょうか?
【GO1選手】相談した方々が、まだまだ勝てると言ってくれました。当時、メインでプレイしていた『スト6』で思うような成績が残せていなかったんですが、第三者目線で自分のプレイをひもといてくれて「お前はまだ強いよ」みたいな感じで励ましてくれました。そこで続けてみようという気持ちが芽生えてきました。
――複数タイトルをプレイするうえで、気持ちの切り替えとか、攻略的な切り替えはどのようにされているのでしょうか?たとえば、何かルーティン的なものがあるとか。
【GO1選手】昔からいろいろなゲームをするのが好きで、いろいろなゲームに手を出していました。そのときに培った技術で複数タイトルでも勝てるという部分があると思います。切り替えに関しては、同じ格闘ゲームでも、それぞれに大事な部分、根幹となるシステムがあって、それをしっかり頭の中で切り替えてゲームに挑むようにしています。ルーティンは特にないんですけど、「これから『餓狼CotW』をやるよ」って感じで頭の中で意識していますね。
――引退の相談をしたときのアドバイスとして具体的なものはあったのでしょうか?たとえば、GO1選手はSA2の弾抜けが代名詞となっていますが、そういった点を強化したほうがいいとか。
【GO1選手】そういう感じのものはなかったですね。自分としては、反応とか集中力とか、そういうのは年齢的に衰えを感じている部分もありましたし。今後、続けて行くとさらに衰えていって、勝てなくなるんじゃないかなっていうのが怖かったんですよね。そういった点について話をしました。
――ラッシュ中段を連発するって行動もそのあたりからでしょうか。
【GO1選手】そうそう、あれは喰らう人にはとことんやるぞって気になっていました。我々の年齢になると(ラッシュ中段とかが)キツくなってくるので。自分がキツいものは相手もキツいだろうってやっていました(笑)。
――なるほど、GO1選手がやれたことで同世代の選手も励みになったと思います。
【GO1選手】私たち世代で同じような悩みを持った方もいらっしゃると思います。でも、簡単にやめるとか言わないほうがいいなって本当に思いました。ウメハラ選手やsako選手、板ザン選手のような大先輩が最前線で本当に勝っているので、我々世代もみんなで頑張っていきましょうって思っています。
――2025年はDetonatioN FocusMe(DFM)に移籍しての活動だったわけですがDFMに入って変わったことはありますか?結果に結びついたこととか。
【GO1選手】チームに入って変わったというか、DFMはマネージャーのぺぺさんという方がいらっしゃいまして、チームのスタッフですが、選手に近い立ち位置で、本当に親身になっていつもケアしていただけていました。CAGもすごくやりやすい環境ではあったんですけど、そういった部分で新しい環境を作ってくれたというのはあります。
あと、これまではリーダーとしてチームを牽引し、いろいろなことをやってきたんですけど、DFMには板ザン選手が頼れるリーダーとして存在しています。いろんなことを教えていただき、引っ張ってくれました。なので、チームではリーダーとしてではなく、エースとしてチームを引っ張られる存在になろうという気持ちで頑張れました。そういった違いはありましたね。
――2025年はEWCの活躍を始め、高額な賞金を手にしたと思います。その結果、自身で何か変わったことはありますでしょうか?
【GO1選手】賞金自体はつい最近入ってきたんです。それによってようやく実感しています。ただ、自分はあまり裕福な家庭で育ってきていないので、お金の大切さを知っていて、その気持ちは変わっていません。賞金で大きな買い物もしていないですし、生活水準そのものを上げることも考えていません。まあ、夫婦がお世話になっている方とか友人とかには恩返しはしつつ、ちゃんと貯金しておきたいです。
アワードでは、受賞式以外にもいろいろ楽しめる要素を用意していた。昨年から始まったレッドカーペットは受賞者を身近に感じることができ、ウォッチパーティーの参加者であるときど選手やファン太さんと『スト6』での対戦。ノンセクションゲームプレイヤー賞を受賞した選手とのファンミーティング、ジュリコラボバイクのフォトスポットなどがあった。
著者プロフィール・岡安学
ゲーム情報誌編集部を経て、フリーランスに。イベント取材をはじめ、法律問題、マーケットなど、多角的な切り口でeスポーツを取り上げる。さまざまなゲーム誌に寄稿しながら、攻略本の執筆もおこない、関わった書籍数は50冊以上。現在は、Webや雑誌、Mookなどで活動中。近著に『ゲームビジネス』(クロスメディア・パブリッシング)、『みんなが知りたかった最新eスポーツの教科書』(秀和システム)などがある。
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