「店員を召し使い扱いする客がいる」万年人手不足のスーパーで、優秀なスタッフが神経をすり減らし辞めていくワケ【作者に聞く】
「
スーパーのレジ打ちなんて、誰にでもできる仕事だろ?
」――。そんな心ない言葉を投げかけられた経験を漫画にし、SNS上で大きな注目を集めているのが、狸谷(@akatsuki405)さんの人気シリーズ『チェッカー鳥海さん、レジまでお願いします』の1編「だれにでもできるおしごとですね」だ。
日々、多くの利用客が訪れるスーパーの裏側では、単なる精算業務にとどまらない複雑な業務や、店員を軽視するカスタマーハラスメント(カスハラ)が横行している。2026年6月現在も万年人手不足が叫ばれる小売業界のリアルについて、元従業員である作者の狸谷さんのコメントを交えながら、現場の実態を解き明かす。
召し使いのように扱う強烈な客たち。レジの横から「タクシーを呼べ」と迫る理不尽な対応
狸谷さんがSNSに漫画を投稿すると、「スーパーのレジ打ちなんて誰にでもできる仕事なんだから、ネットに愚痴を吐くのは向いていない」「仕事を辞めたらよい」という、現場を知らない人からの冷淡なコメントがしばしば届くという。しかし実際の業務は、想像を絶する「対応力」を求められる激務だ。
レジ打ちの最中であるにもかかわらず横から割り込んできて、「商品の場所を聞いてくる」「タクシーを呼んでほしい」と要求する人や、数量限定品を大量にカゴに入れてルールを無視する客など、理不尽なトラブルは日常茶飯事だ。
こうした現状について、狸谷さんは「素敵なお客様が多い中、どうしても店員を召し使いかのように扱いがちな強烈な方が一定数いらっしゃるので、そこで神経をすり減らして辞めるに至るのでしょうし、それを側から見ている求職中の方も『こういうことがあるなら、この仕事は嫌だな』と選択肢から外れてしまうのも一因ではないかと感じています」と語る。
鮮魚や精肉への応援も。レジ打ちだけでは終わらないマルチタスクの重労働
さらに、スーパーの仕事はレジ打ちだけにとどまらない。店員の業務には品出しや検品も含まれており、休みもカレンダー通りにはいかないのが現実だ。
狸谷さんが勤務していた店舗では、店舗全体が人手不足に陥った際、レジ担当であっても鮮魚や精肉、グロサリー(一般食品)の部署へ応援に駆り出されることもあったという。決して「レジ打ちの技術」だけがあれば成立するわけではなく、店舗全体の状況を把握して動くチームワークと柔軟性が不可欠なのだ。
単なる「誰にでもできる作業」と一括りにされがちなスーパーのスタッフだが、その実情はマルチタスクをこなす専門職に近い。漫画を通してこうした現場の汗と涙を知ることで、お店での接客に対する見方も変わるはずだ。
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■取材協力:狸谷(@akatsuki405)
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