車いす女性を救い出せ!2カ月に1度の「年金支給日」に仕掛けた緊迫の脱出作戦【作者に聞く】
DVや虐待、深刻な家庭内トラブルに直面する依頼者たちを、文字通り命がけで救出する「夜逃げ屋」。その緊迫した現場の実態を、実際にスタッフとして働く漫画家・宮野シンイチ(@Chameleon_0219)さんがリアルに描き、SNSや書籍で大きな話題を呼んでいるのが『夜逃げ屋日記』だ。
今回は、実の父親から凄惨な搾取を受けていた車いすの女性の救出劇と、人間の底知れぬ業を描いたエピソードをピックアップ。作者の宮野シンイチさんへのインタビューとともに紹介する。
支給日に合わせた口座差し止めで作戦開始。父親の行動パターンを突く極限の心理戦
今回の依頼者は、交通事故で母親を亡くし、自身も足に障がいを抱えて車いす生活を送る25歳の女性・松下ホノカさん。母の死後に蒸発した実の父親が4年ぶりに戻り、彼女が受給する障害年金や亡き母の遺産を娯楽のために使い込み始めたという。
限界を迎えたホノカさんは夜逃げを決意。2カ月に1度の障害年金支給日に、父親が1日中飲み歩く行動パターンを突き、支給当日に決行する作戦が立てられた。
同時に振込口座を差し止める手続きを行い、金が引き出せず焦った父親が右往左往する隙に荷物を運び出すという頭脳戦がスタート。しかし、万全に見えた作戦の裏で想定外の事態が待ち受けていたーー。
「娘のお金で娯楽に耽る姿は卑劣」 現役スタッフが痛感した血縁の闇
障がいを持つ我が子を食い物にする父親の姿について、宮野シンイチさんは次のように語る。
「家族の生活費ならまだしも、自分の娯楽のために娘の障害年金を使うのは卑劣だと感じました。ただ社長によると、こうしたケースは過去にも何件かあったそうで、闇の深さを実感しました」
血のつながった家族だからこそ逃れにくい、セーフティネットの隙間。単なるフィクションを凌駕する現実の恐ろしさを、本作は鋭く突きつけてくる。
単行本も発売されている『夜逃げ屋日記』。冷徹な悪意から人々を救うリアルなドキュメンタリーコミックを、ぜひ確かめてみてほしい。
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取材協力:宮野シンイチ(@Chameleon_0219)
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