ラジオを聴く少年「なんか呪文みたいな気味が悪い言葉が混じって聞こえる」→穏やかな日常にノイズの奥から突然侵入してくる恐怖【作者に聞く】
夜に一人で部屋にいるとき、背後に気配を感じた経験は誰しもあるのではないだろうか。今回は、ラジカセをモチーフにそんなささやかな恐怖を描いた漫画『周波数』を紹介する。作者は「第2回朝日ホラーコミック大賞」漫画部門で大賞を受賞した新進気鋭のホラー漫画家・鳩ヶ森(@hatogamori)さん。現在pixivで『仮門』を連載中だ。「日常に潜む狂気」をコンセプトに、すぐ隣で息を潜めている恐怖をテーマにしており、残された余韻がやけに怖い。本作について作者に話を聞いた。
日常に潜む狂気と恐怖
本作のテーマは「子供が夜の暗い自室で背中に感じる薄ら寒さ」だという。鳩ヶ森さんは「自室でお風呂に入っているときなど、後ろに何者かの気配を感じることはある。あの感覚を思い出してゾッとしようぜという気持ちを込めた」と語る。
また、懐かしいラジカセをモチーフにした理由について「子供のころからラジオが好きで思い入れがある。親から古いラジカセを譲られ、『夜の1人の時間=ラジカセ』という思い出がある」と明かす。親としては勉強のBGMにしてほしかったのだろうが、「全く勉強せず点数も散々だったが、今回のネタにできたので結果オーライ」と振り返った。
『周波数』というタイトルは、レトロなラジカセのつまみをいじって遊んでいた体験からきている。「たまにノイズに混じって呪文のような言葉が聞こえることがあった。今なら外国の放送の混線だとわかるが、当時は怪現象そのものだった。日常にいきなり恐怖が片足を突っ込んでくるような漫画を目指した」という。
こだわりの異形と周波数
作画でこだわったのは「お化けの顔」だ。「普段は『人怖』ばかり描くので幽霊などを描くスキルがなく、練習も兼ねて異形のモノの顔を頑張って描いた。化け物を恐ろしく描くには『目』が重要だと思っていたが、意外と『歯』がポイントだと気づいた」と語る。
作中では、火災で一家3人が遺体で見つかり、のちに次女の遺体も見つかるというニュースがラジオから流れる。人が聞きとれる周波数は20Hz以上といわれるが、読者からは「心霊スポットは19Hz以下が多いらしい」との声も寄せられた。古いラジオは一体どの周波数を拾っていたのか。日常に潜む恐怖をぜひ味わってほしい。
取材協力:鳩ヶ森(@hatogamori)
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