都会組と上京組の格差…「バイトより大学が大事」1食7千円に絶望し、港区女子へ染まる女子大生のリアル
シルバーウィークはお家でのんびり漫画三昧?本稿では2026年上半期にバズった漫画を紹介。
東京に憧れて上京した主人公が、生活費のために働く上京組と欲しいものを買うためにバイトする都会組との大きな格差に直面する。憧れの東京で一人の女性の栄光と挫折を描いた、うみの韻花さん(@umino_otoka)の『人生もっとうまくやれたのに 港区女子の絶望と幸せ』を紹介するとともに、本作について話を聞いた。
理想と現実のギャップ
「金銭面は自分で何とかする」と親を説得して大学に入った主人公は、奨学金と生活費を稼ぐことで精一杯。一方、同級生の桜子は親からハイブランドのバッグをもらい、バイト代をカフェや新作コスメに使う。ある日、誘われたカフェのアフタヌーンティーは1人7000円。1日のバイト代が飛ぶ価格に主人公は食べた気がしない。さらに、バイト疲れで居眠りをしていると「バイトより、大学生活のほうが大事だよ」と言われる。自分より貧しい世界が身近にあることを知らない同級生を見て、現実に直面するのだった。
作者のうみのさんは、主人公は自身の経験から着想を得ていると語る。「もともと私が田舎出身で上京して理想と現実のギャップに突き当たったり、お金を稼ぐことで傲慢になり、本来の目標を見失い若さという勢いで生きてきた時期がありました。それを主人公に投影させているので、ある意味彼女は『存在したかもしれないもう1人の私』なのです」と話す。リアリティを追求するため、1人で大学見学に行き疑似体験をしたり、港区界隈で資料集めをしたりしたという。
港区女子に染まる苦悩
その後、主人公は大学の準ミスコンに選ばれ、飲むだけで数万円が手に入る世界に足を踏み入れる。作者自身はギャラ飲みや港区で働いた経験はなかったため、元港区女子を探して何度も取材し、システムや実体験を調査したそうだ。好むブランド品や服装もリサーチして漫画に取り入れている。
華やかな港区女子に染まり、性格も歪んでいく主人公。嫌われるキャラにならないよう、序盤で葛藤や苦悩する描写をしっかり描き、読者が共感や同情ができるよう構成したという。染まっていく第3章以降は目のハイライトを徐々に減らし、年齢や整形に合わせて顔の比率を微妙に変え、ファッションや小物も含めてこだわって描いている。
制作に1年半を費やした本作について「主人公と感情を一体化させて魂を込めて描いた作品です。皆さまにとって、ふとまた読み返したくなるような、そんな一冊になればうれしいです」と語る。お金を手にすれば幸せになれるのか、東京の光と闇を描いた渾身の一作だ。
取材協力:うみの韻花(@umino_otoka)
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