「幸せにできなかった」妻の死を悔やむ65歳客。「私は自分の力で幸せに」心を読むメンエス嬢の代弁

メンズエステとは、マッサージを中心とした施術で心身の癒やしを提供する男性向けのお店のことだ。


電子書籍『メンエス嬢加恋・職業は恋愛です』は、そんなメンズエステを舞台にした創作漫画。肌に触れるだけで人の心の奥底までも理解してしまうメンエス嬢の加恋が、店にやって来る“訳アリ”な客の心身を癒やし、そっと背中を押す人間ドラマだ。描くのは漫画家の蒼乃シュウさん(@pinokodoaonoshu)。

今回は「孤独な男」のエピソード。「僕みたいなおじさんがこんなところに来てマッサージを頼むなんて変だろう?」と加恋に語る65歳の池尾仁志。施術のために肌に触れると、簡単にはほぐせない深い悲しみが伝わってきた。

すれ違った夫婦の結末と、言葉にしないことの代償


どことなく寂しげな池尾に、「よかったらあなた自身のことを聞かせてくれませんか?」と語りかける加恋。池尾は戸惑いながらも、自身の半生や亡き妻への思いを話し始める。

蒼乃シュウさんは池尾のキャラクターについて「年配の男性客も描いてみたくて。『哀愁漂う老紳士』にしたところ、一気に話が進みました」と語る。家族のために出世することが一番の幸せだと信じて必死に働いてきた池尾だったが、本社への栄転が決まると妻からは「あなた一人で行って来てください」と告げられる。昇進すれば理解してくれると単身赴任したものの、激務の末にうつ病を発症。「心配をさせてしまう」と家族に言えずにいたある日、息子から妻の死を告げられた。「余計な心配をさせたくない」とお互いに思い合った結果、夫婦は取り返しがつかないほどすれ違ってしまったのだ。

蒼乃さんは「少しでもモヤモヤしたら即行で話し合い、お互いスッキリさせるのが理想的だとは思います。でも、実際は難しいですね。池尾のように『いつか分かってくれるはず』とごまかす場合が多いのではないでしょうか」と、言葉を交わすことの難しさを指摘する。

長生きだけが幸せじゃない。「自分らしさ」が導く救い


妻を幸せにできなかった贖罪から自分の喜びを放棄している池尾に対し、加恋は「女はそんなにか弱くない。あなたに幸せにしてもらわなくても、私は自分の力で幸せになります」と亡き妻の気持ちを代弁する。

このセリフについて蒼乃さんは、「池尾は『妻を幸せにできなかった』とずっと悔やんで生きてきました。でも、これはきっと思い込みにすぎません。病気で亡くなったからといって『幸せではなかった』と決めつけることはできないと思います。長生きだけが幸せだとは限らないし、池尾が知らないだけで妻は妻なりに、自分の人生をまっとうしたのでしょうから」と思いを込める。

さらに「世間一般でいう『男らしさ』『女らしさ』よりも、『自分らしさ』を求めることが幸せになる近道だと私は思っています」と語る蒼乃さん。加恋が妻の気持ちを代弁したことで、ようやく自分の幸せに目を向けることができた池尾。次はどんな訳アリ客が加恋のもとにやって来るのか、今後の展開も楽しみにしてほしい。


※記事内に価格表示がある場合、特に注記等がない場合は税込み表示です。商品・サービスによって軽減税率の対象となり、表示価格と異なる場合があります。

この記事の画像一覧(全269枚)

Fandomplus特集

マンガ特集

マンガを読んで「推し」を見つけよう

ゲーム特集

eスポーツを「もっと知る」「体験する」

ホビー特集

「ホビー」のトレンドをチェック

注目情報