イラ立つ父「ビールはすぐ持ってくるもんだろうが!」→娘「大きい声出さないで」周囲から冷ややかな視線を浴びせられる地獄絵図

「俺たちよりあとに来ただろ。順番を抜かすな、非常識だぞ!」お寿司屋で怒鳴り散らす父!周囲の冷たい視線が痛い...画像提供:(C)西野みや子

混雑している寿司屋で「俺たちよりあとに来ただろ。順番を抜かすな!」と店員を怒鳴りつけ、周囲から冷ややかな視線を浴びる父親。現代の常識とズレた身近な高齢者の振る舞いを描いた西野みや子さん(@miyakokko61)の漫画『わたしの親が老害なんて』が反響を呼んでいる。本作を紹介するとともに、著者に制作の裏側を聞いた。


身近に潜む老害の実態

『わたしの親が老害なんて』30画像提供:(C)西野みや子/KADOKAWA

『わたしの親が老害なんて』31画像提供:(C)西野みや子/KADOKAWA

『わたしの親が老害なんて』32画像提供:(C)西野みや子/KADOKAWA

『わたしの親が老害なんて』33画像提供:(C)西野みや子/KADOKAWA


主人公の栄子は、80代になる両親の言動に煩わしさを感じていた。かつてはありがたい存在だったが、娘が巣立つと定期的に電話で古い価値観を押し付け、店では平気でクレームを入れるようになる。著者は「老害は誰にでも潜む可能性があることを伝えたかった」と語り、元教員の父や、父には逆らわないが昔の価値観を押し付ける母など、あえてどこにでもいるような人物を登場させたという。年齢に関係なく、自分の価値観や経験を他人に押し付けたり、異なる考え方を受け入れない態度が摩擦の原因になると分析する。

作中では、親が古い価値観を無自覚に押し付けてくる場面が多々描かれる。栄子が妊娠したときには「最低2人産むのが母親の務め」「仕事はいつ辞めるの?」と言われ、さらに栄子の娘・美咲が妊娠して帰省した際にも、つわりで生ものを控えているのに「お祝いだから」と寿司の出前を強要し、染めた髪が胎児に悪影響を与えると生き方まで否定してくるのだ。

無意識に連鎖する価値観


著者の実体験も作中に色濃く反映されている。妊娠中のひどいつわりで少量しか食べられないときに「2人分食べないと」とプレッシャーをかけられたことや、無痛分娩を視野に入れていたが出産の痛みはみんなが通った道だからと周囲の女性陣から反対されたこと、漫画家として活動し始めたのに「母親が家事育児をしないと」と言われたことなど、親世代からの違和感を多く描いている。作中で栄子は娘の味方だと思っているが、長年両親から言われてきたことが無意識に体に染み込んでいることがわかる描写にも注目してほしいという。

「老害という言葉はインパクトが強く軽々しく使うべきではないが、その実態は特別なことではなく自分自身にも起こりうる」と著者は語る。この作品を通じて、そうした人たちの背景やなぜそうなってしまったのかを知ることで、自分たちが同じ道を歩まないように自省するきっかけになればうれしいと締めくくった。


取材協力:西野みや子(@miyakokko61)

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