息子を亡くした夫「乗り越えなくていい。あの子を思い続けてあげよう」息子の事故現場で抱きしめ合う夫婦の姿にこみ上げる涙【作者に聞く】
DV被害などの依頼者を夜逃げさせた実話を基に描かれた人気漫画『夜逃げ屋日記』。作者の宮野シンイチさん(@Chameleon_0219)に、事故現場で涙を流した依頼者夫婦のエピソードについて話を聞いた。
最愛の息子の事故現場へ
荷物の搬送を終え夜明けを迎えた車内で、依頼者の板野ケンゾウさんとユカリさん夫婦は静かに語り始める。息子のカズト君を交通事故で亡くして以来、遠出は久しぶりだという。ユカリさんは「カズトが亡くなった横断歩道に行ってほしい」と願い出る。息子の死を乗り越えたい一心だった。
横断歩道に到着すると、ユカリさんは涙を流しながら「あの子のことをどうしても忘れられない。乗り越えられそうにない」と吐露する。すると夫のケンゾウさんは「もう乗り越えなくてよいじゃないか。僕らはこれから先、ずっとあの子を思い続けてあげよう」と優しく声をかけ、2人は抱きしめ合った。
被害者側が逃げる理不尽さ
作業終了後、社長とスタッフは花束を持って例の横断歩道へ向かった。こうした被害者家族の夜逃げは年に数回必ずあり、社長は「なぜ何もしていない被害者側が逃げる羽目になるのだろう」と理不尽さに思いを巡らせる。花束を供え、夫婦の平穏を願って手を合わせた。
現場での夫婦の様子について宮野さんは、「この2人はこれからどうやって生きていくのだろう、なぜこんな目に遭わなければいけないのだろうと、いろんなことを考えた。誰にもどうしようもできず、ただただやるせなかった」と当時の思いを語る。
『夜逃げ屋日記』は単行本第5巻が発売され、作者と夜逃げ屋の社長との対談(
前編
/
後編
)も実現している。
取材協力:宮野シンイチ(@Chameleon_0219)
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