【岐阜県飛騨市】飛騨の“茅葺き民家”ただの「修復」で終わらせない、「再生」を目指す!~建物をそのまま横移動させる工法で、基礎の修復完了

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岐阜県飛騨市
全国の皆さんからのふるさと納税を活用して、飛騨市宮川町にある先人の知恵の結晶「茅葺き民家」の保存、活用の取組みを進めています。

飛騨の山あい、飛騨みやがわ考古民俗館に佇む一軒の茅葺き民家「旧中村家」。静かな時を刻んできたこの家は、150年もの間、風雪に耐えながら地域の暮らしと文化を支えてきました。しかし、土台が傾き、屋根がいたむなどの老朽化が著しく、修復の時期を迎えていました。
岐阜県飛騨市(市長:都竹淳也)では令和2年度から飛騨市ふるさと納税の使途メニューの一つとして寄附を募り、令和6年度までに6,000万円余りのご寄附をいただきました。
ふるさと納税を活用して、令和6~7年度にかけて修復事業を実施。基礎を修復して建物を水平に戻すことができました。今後は屋根の葺き替えを計画しており、引き続き寄附を募る計画です。
飛騨市宮川町地区に唯一残る茅葺きの家、「旧中村家」を未来へつなぐプロジェクトを進めています!

飛騨市宮川町の山間にある飛騨みやがわ考古民俗館に佇む一軒の茅葺き民家「旧中村家」

なぜ今「茅葺き民家」を守るのか
かつて飛騨一帯で多く見られた茅葺き合掌造り民家。「旧中村家」は今や飛騨市宮川町に唯一残るものです。明治初期に建てられたもので、当時の典型的な農家建築と位置付けられ、市の文化財(有形文化財-建造物)に指定されています。

この茅葺き民家「旧中村家」は飛騨みやがわ考古民俗館にあります。平成2年に当時の宮川村(今の飛騨市)に寄贈され、平成3年に宮川町洞から移築。現在は野外展示されています。この茅葺き民家を含む飛騨みやがわ考古民俗館は、豊富な民俗資料と考古資料から飛騨の人々がいかに山間部で生きてきたかを学ぶことができる施設です。

しかし、現状はさまざまな課題を抱えています。

・傷みが激しく、茅葺き屋根が崩れかけている
・地域の博物館「飛騨みやがわ考古民俗館」は年間30日しか開館できていない
・地域の人口減少に伴い、「伝える人がいなくなる」

「このままでは飛騨の文化が失われてしまう」

だからこそ、私たちは「旧中村家」を文化財としてただ修復するだけでなく、人々が集い、つながる場所として再生させるプロジェクトを立ち上げました。

飛騨みやがわ考古民俗館ほか(住所:飛騨市宮川町塩屋104)

ただの「修復」で終わらない、茅葺き民家を、未来に継承し交流拠点にしたい。
この想いを支えるのは、ファンの方々の声です。「囲炉裏で鮎を焼く体験ができたら」「修復の過程をみんなで学びたい」「3Dスキャンができたら面白そう!」など多くの方がこの民家の保全・活動を望んでいます。
このプロジェクトは、ただ屋根を修復するだけではありません。150年の歴史が息づく茅葺き民家を、市内外の方が交流する拠点とし、「過去」から継承されてきた文化財を「今」を生きる私たちが「未来」へと繋ぎ、交流の場としてこの民家を守るために取り組んでいます。






曳家にて建ったまま建物を移動し、傾いた基礎を修復。再び元の位置に
今回行ったのは、「曳家(ひきや)」。建物をそのまま横移動させる工法で、今ではなかなか見ることがなく、大変珍しいものです。
2024(令和6)年9月、およそ70トンある建物をアリが歩く速度より遅いスピードで慎重に40mほど移動させ、その間に傾いた基礎を修復しました。
同年11月には再び元の位置に戻し、建物は水平を取り戻しました。柱が真っ直ぐになり、ふすまや障子などの建具もスムーズに開け閉めできるようになりました。また、腐食した床材や柱は、取り換えたり補強を行ったりしました。今夏、第一期工事が無事に完了。建物は息を吹き返しました。




曳家前

曳家後