【怖すぎ注意】怖い!不気味!しかも実話!独特なタッチのリアルホラー漫画に背筋が凍る
SNS漫画の人気コンテンツとして、今や定番となりつつあるホラー作品。その中でひときわ異彩を放ち、読者からは「あの気持ち悪い絵が逆に怖い!」や「独特の絵がクセになる!」と高い評判を得ているのが、漫画家の石塚大介さん。
2015年に小学館主催の新人コミックオーディションで奨励賞を受賞した経歴があり、独特なタッチと色味を使ったギャグ漫画に定評がある。そんな石塚さんが、なぜホラー作品を手掛けているのか。その理由やホラー作品を描くうえでの思いについて聞いた。

「滅茶苦茶で、不条理な作品を描きたい」
漫画家といえば、誰もが数多くの漫画作品を読み、あらゆる作家から影響を受けて自身の作品に落とし込んでいるイメージだ。石塚さんの場合は、とある1人の漫画家から絶大な影響を受けているという。
「浜岡賢次さんですね。幼い頃から『浦安鉄筋家族』が大好きで、大学生になるタイミングで漫画家を目指そうと決意したんです」勉強のために多くの作家の作品を読むわけではなく、浜岡作品を模倣する形で漫画家人生がスタートしたそうだ。
その影響から石塚さんが生み出す作品はどれも、一度見たら忘れられない個性を放っている。突如として登場する有名芸能人らしき人物や、現実世界では起こり得ないシュールな展開。どのページからも浜岡イズムを感じさせる作品になっている。
「ホラーも手掛けていますが、本当にやりたいのは不条理。滅茶苦茶なギャグを作品に昇華させたいと思っているんです」と話す。

信じていないからこそ俯瞰で描き恐怖感を煽る
誰もが知る怪談の名手は心霊現象を信じておらず、さらには怖い話すら苦手だと聞いたことがある。だからこそ冷静に相手を怖がらせる方法を追求し、ストーリー展開や話し方を工夫するため、どんどん怖い話になっていくのだ。石塚さんも、「よく『霊感はあります?』って聞かれるんですが、一切ないんです。というより、心霊現象すらないと考えています」という。

では、どうしてホラー作品を描くのか?「“笑い”と“ホラー”は共通点が多いと思っています。フリでゆっくり緊張させて、オチのところでパッと緩める。緊張と緩和は、笑いもホラーも同じ。笑いで培った手法をホラーに持ち込んでいるイメージです。笑いばかり突き詰めると息が詰まるので、気分転換にもなっていますよ」と石塚さん。


“笑い”を自身の所在地であると語る石塚さん。今後描きたい作品については、「なんの意味もない笑いですね。ドタバタで意味不明な。それで、一部の人により深い笑いを届けたいと思っています」と語る。
最近の石塚さんの作品の中では「あるあるシリーズ」が人気を集めており、Instagramでは1万以上の“いいね”がつく。こちらの作品にも有名人らしき人物が登場したり、セリフの言い回しがシュールであったりと、かなりぶっ飛んだ作品だ。ホラーが苦手な人はぜひこちらをチェックしてほしい。
刺さる人には刺さる、不思議な世界観を展開する石塚さんの作品。今後も刺激的な漫画から目が離せない!
取材・文=橋本未来