【漫画】銀行印でなく銀行員を持参!疾走感とオチが爆笑を呼ぶすべらない話
「フォロワーさんのすべらない話」を勢いのある独特な絵柄で描いた漫画が、「スピード感が好き」「コントみたいで最高」と多くの人の腹筋を刺激している。Instagramを中心にこの漫画を投稿しているのは、後藤桜子(@sakura.cooo)さん。今やInstagramのフォロワー7.5万人以上を誇る作者に、お気に入りの作品やネタが生まれたきっかけについて聞いた。
おもしろい話を共有したい!という思いから漫画に
後藤さんが「フォロワーさんのすべらない話」を投稿するようになったのは、2020年の3月ごろ。きっかけは、育児休暇中にInstagramのストーリーを使ってフォロワーと交流していたことだという。「もともとは、時間がある時にフォロワーさんの体験談で自慢できることや最近あったうれしいことを教えてくださいと聞いて、自分で読んで楽しんでいました。そのなかですべらない話を募集したらおもしろいネタがたくさん集まったので、それを共有したいと思って」と、フォロワーさんの話を漫画にする現在のスタイルが生まれた。




昨年はストーリー上でネタを随時募集していたが、爆発力のあるネタを探すことや構成に時間がかかるため、現在は、昨年アップした白黒作品をカラーにした「復刻版」を2〜3日に1回程度のペースで投稿している。「おもしろいのに閲覧数がのびないのはもったいないので、定期的に更新をしてたくさんの人の目に止まるようにしています。おかげで、フォロワーが5万人から7万人に増えました」と人気のほどがうかがえる。
元ネタに脚色を加えた自由すぎる展開が魅力
疾走感のある漫画の最後のコマには、元ネタとなったストーリーの投稿を載せるオチがお決まり。「ストーリーは30文字までと文字数制限があるため、DM(ダイレクトメッセージ)で長文が送られてくることもあります(笑)」。
30文字を漫画にするからにはそこからネタを掘り下げるのかと思いきや、意外なことにネタ提供者と連絡をとることはないという。「もともと脚色しますがご了承ください、と言って募集していたので、採用されているかどうかは、アップするまでわからない状態です。架空の会話や話の展開などを私が作っているので、元のネタとは違うこともよくあります。採用ありがとうございますとコメントやメッセージをくれる人もたまにいますが、不思議なことに、大体の人からは反応がありません。すでにフォローを外している人もいます」と笑う。


後藤さんが特に印象的だったと話すのは、アルバイトの面接に受かり、銀行印ではなく銀行員の母を連れて行ったというエピソード。「最初に漫画を描こうと思ったきっかけの投稿です。めちゃくちゃおもしろいやんって笑いました」と振り返る。また、投稿者の女性が彼氏と間違えて父親に「大好き」とLINEを送ってしまう話では、「ほっこりする」「泣ける」と、いつもとは違った目線の感想が多かったという。


当初は日常のエピソードを文字だけでアップしていたのが、イラストを描くようになり、さらに進化して漫画になったという後藤さん。今後については、「今はフォロワーさんのすべらない話を描いていますが、もっとエッセイ漫画を描いていきたいです。日常にあったことを漫画にして、娘のことをシリーズ化もしたいと思っています。今は一話完結の作品ばかりだから、シリーズにしたいですね」と話してくれた。

取材・文=上田芽依(エフィール)