「俺なら初日に死んでる…」SNSで公開された“100日間のサバイバル脱出劇”の顛末にハラハラドキドキ

箱庭ヴィネットを描くイラストレーター・gozz(ごず)さんは昨年、何も持たず、記憶も失った主人公が無人島に漂着し、飢えと孤独、謎の生物の恐怖に耐えながら孤軍奮闘する100日間のサバイバル脱出劇をSNSで公開。箱庭ヴィネットならではの緻密な画面構成と、ハラハラドキドキのサバイバル生活がSNSユーザーを魅了し大きな話題となった。そして今年の4月21日、不思議な100日間をまとめた『無人島漂着100日日記』を出版するや、すぐさま重版がかかるほどの人気に。そこで今回、ウォーカープラスではgozzさんにインタビューを実施し、箱庭ヴィネットに魅せられた理由や、本作の着想のきっかけなどを聞いた。





投稿を始めてからプレッシャーも…「励ましのコメントにすごく救われました」
――“箱庭ヴィネット”を描き始めたきっかけを教えてください。
【gozz】箱庭ヴィネットの先駆けにテラリウムの水槽の絵を描いていまして、そこから徐々に陸を増やしていき、地中や水中など普通の絵では見えないところにもいろんな生き物がいて物語があるのでは…?と表現していくようになりました。
――対象を“境界のある立体的な空間“で描く、この手法に目覚めたターニングポイントは?
【gozz】この手法の1番はじめは、2~3年くらい前に描いた「テッポウウオがいる水槽」のイラストだと思います。でもそのイラストを描く基礎になっているのは、工業高校での製図の授業で描いた立体図がターニングポイントなのかも知れないです。
――絵を描くにあたって、自分の“作家性”に影響を与えた作品や作家を教えてください。
【gozz】幼少期に家にあったマーティン・ハンドフォードさんの「ウォーリーをさがせ!」は、今でもよく読みます。今はTwitterなどで素敵な作家さんが多く見つかりますから、誰というのはあまりないです。というかとても多いです。





――「無人島漂着100日日記」の着想のきっかけは?
【gozz】もともとサバイバル系の物語や設定が好きで、いつか描きたいとはずっと思っていました。イラストも箱庭的な絵を描くことが増えていて、このスタイルで無人島の物語を描いたら面白いんじゃないかと思い、今回のような形になりました。
――100日間ものエピソードを考えるのは大変だったのでは?
【gozz】大変でしたけど、とても楽しかったです。でも実はTwitterに投稿を始める前が1番楽しかったです。30日分くらいストックを作ってから投稿を始めたのですが、投稿を始めたてのときはいろんな人の評価が気になってしまい、すごくプレッシャーでした。励ましのコメントにすごく救われました。
作品には設定やストーリーはあるが、そこに囚われず“いろいろな可能性”を想像してほしい
――書籍化にあたって、一番思い出に残っているのは?
【gozz】書籍化できたらいいなーとは思っていましたが、いざいろんな出版社からお声をかけてもらうと本当に私の物語で良いのかな…という不安の方が強かったです。
――“表現者”として読者に訴えたいものとは?





【gozz】作品には私が考えた設定やストーリーはありますが、そこに囚われず自由に見ていただき、いろいろな可能性を想像してくれるとうれしいです。
――次にチャレンジしてみたい作品は?
【gozz】やりたいことはいっぱいありますが、いろいろなキャラクターの小さな物語を絡めたような作品や、文字を極力使わないような作品を作ってみたいです。




取材協力:gozz/ごず(@gozz_sss)