できない自分を責めないで。「そのために僕がいるんだ」再婚した旦那さんが好きすぎる件

再婚家族、いわゆるステップファミリーの暮らしを描く齊藤詠(@utasaitoarts)さん。シングルマザーとして子育てに奮闘していた彼女が、神がかった優しさを持つ旦那さんと出会い、娘以外の人を愛せるようになった日々の出来事を描いた漫画が「素敵すぎて泣ける…」と多くの人の心を癒やしている。

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育児も家事ももっと頑張りたいのに…「あのね、それは200点を目指してるよ」

齊藤詠さん(以下、詠さん)は、前夫との娘・つんちゃん、旦那・タプさん、タプさんとの息子・もっちゃん、娘・むーしゃんの5人家族。特に反響があったのが、「旦那さんが教えてくれたこと」を描いた漫画。一番下の娘が生まれるより前、まだ幼い息子の世話に時間を取られ、「お姉ちゃんに構ってあげられない」「家事もろくにできない」と自分を責める詠さん。そんな彼女に対して旦那さんがかけた優しい言葉が、世の中の多忙なママたちの心に響いている。

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落ち込む詠さんに「あのね、それは200点を目指してるよ」と言うタプさん。「子供に対しても、手のかかる子に多めの力がかかるのは仕方ない。それをサポートするために僕がいるんだ」と続ける。

投稿を読んだフォロワーからは「思わず涙が…」「私も一人で頑張りすぎてたかも」との声が集まり、心の中に突っかかっていた“何か”がスッとほぐれた人が多かったよう。また、「毎日100点では苦しくなるから、合計70点の日の繰り返しでもいいと思うんだ」という言葉は、ママだけでなく、仕事に疲れてしまった人の心にも染みるだろう。

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「旦那さんでなくても、あなたの周りには必ず助けてくれる人や環境があります。できないことは決して恥ずかしいことじゃない」と詠さん。「基本的に、私はとても未熟なので、旦那さんに目から鱗な言葉をよくもらいます。教えてもらうことはありきたりなようで、でも簡単に人には言えない。優しく、気持ちを軽くしてくれるものばかりです。そこに、共感、涙してくれる方がたくさんいます」と話す。

旦那さんからもらった言葉を漫画で伝えている理由について、一度離婚で傷ついた経験がある詠さんだからこその思いを語ってくれた。

「シェアすることで、同じような状況の人が少しでも楽になってほしいという願いがあります。また、離婚を経験すると心身疲れて未来が見えなくなる時期があるのですが、『こんな素敵な未来だってあるんだよ』という希望を持って欲しくて、投稿しています」

今の言葉は本当に伝えたかったこと?改めて考えさせられる話も

ドタバタと忙しい朝、家族とちょっとした言い合いや喧嘩をしてしまうことだってある。でももしそれが最後の言葉になってしまったら…?大げさに感じるかもしれないが、いつ何が起こるかなんて誰もわからない。そんな気持ちを描いた「この言葉が最後なら」も大きな反響があった。

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そのほかにも、日々こなしている名前のない家事に対して「誰か気づいてくれただろうか」と考える漫画も。みんなも頑張っているけど、たまには私もほめてもらいたい。そんな彼女の率直な気持ちに思わず共感してしまう。

名前のない家事6

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ほっこりしたり、時には考えさせられたりと、心に染みわたるエピソードが印象的な詠さんのエッセイ漫画だが、描く上で個人の価値観を押し付けないことを意識しているそう。「だから、私はこう感じたんです。私はこれがうれしかったんです」と、あくまでも自分の気持ちの備忘録のつもりで発信しているという。投稿を始めたきっかけについて「ちょうど仕事を退職し、精神的にかなり参っていた時期で。そんな時、自分の1番好きなことをただひたすらやってみようと、夜も眠らずに絵を描き始めました」と教えてくれた。

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結婚なんて2度としないと決めていた私の心を、優しく溶かしてくれた

詠さん&タプさん夫妻は再婚してから今年で6年目。今でこそ、タプさんを溺愛する様子がなんともほほえましいが、シングルマザー時代は「もう絶対結婚しない」と決めていたという。それくらい、身も心もボロボロになるほどの経験をしたにも関わらず、タプさんとの再婚を決めた理由はなんだったのか。

ただ好きなだけ2

ただ好きなだけ3


「かつては毎日のように泣き、罵り合うような環境で、まだ新生児の娘も怖がって泣いてしまうような生活でした。ただ、母親が笑えないなら、この子にとってこの生活はマイナスでしかないと確信して。この子のために笑えるように深夜に資格の勉強をし、日中は工場勤務をし、夜も働きました。そして資格を生かした高収入の仕事を見つけ、住むところがなくても構わない思いで飛び出して離婚。当時、前の夫が仕事を辞めていたため、その際にできた借金もすべて私が背負いました。お金もなく、何もなかったのですが、娘のことだけを考えて離れました」

「そんな私ですから、タプさんと数年後、別の職場で出会い、一世一代の勇気で食事に誘われましたが、もう何度断ったかわかりません」と笑う詠さん。無口でおとなしいタプさんだが、なんと1日5時間かけて電話でデートの説得をしてきたのだとか。

「本当にこの人しかいないと決めて、真剣に向き合ってくれていたこと。そして、娘がいれば誰もいらない。『娘に悲しい思いをさせるなら、2度と会うことはない。私の中の順位は永遠に変わらないけど、それでもいいですか?』と聞くと、それでも引き下がることはなく。今は、私よりも娘と仲良しです(笑)」

連携プレー1

連携プレー2

連携プレー3

連携プレー4


結婚なんて2度としない、と氷のように固まっていた詠さんの気持ちを、少しずつ手のひらで温めて溶かしてくれるように支え、寄り添って生きてくれたという。「今となれば、この結婚のための過去だったなと思えるくらいです(今も、もちろん娘が不動の1位ですが…笑)」と話してくれた。

人生のご褒美1

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人生のご褒美3

人生のご褒美4


最後に、この記事を読んでいる人へ向けてメッセージをくれた。

「最初から、何も劣っていないし何も間違えていないこと。今、そこに生きているだけで、世界中にとって、あなたの存在が意味を成していること。それを忘れないでほしいです。人は、生きているだけで褒められていいんです。ただ、今日もそこにいてくれて『ありがとう』。それしか、ないです」

「自分のスキ」を認め合える世界1


私たちの心を優しく溶かしてくれる詠さんの漫画。ちょっぴり気持ちが沈んでしまった日には、彼女の柔らかな絵と温かい日常から紡がれた素直な言葉に癒やされてみては。

取材・文=江口琴音(glass)

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