【漫画】鼻腔がんの放射線治療を開始。傷が残らない内視鏡手術にしたいけどそれは腫瘍の縮小次第…頑張るしかない!
幸せに暮らしていた一家の母親が突然がんに。これからどうする?その時家族は?「がんサバイバー」という言葉もあるように、がんと闘病・共存しながら日常を送る生き方が注目されている。そんな中、自らのがんとの闘病や家族との触れ合いを漫画「鼻腔ガンになった話」にし、Instagramにアップして反響を呼んだのが、やよいかめさん(
@yayoi_kame
)。そのリメイク版を連載として描いていく。
やよいかめさんはご主人とお子さん2人の4人家族。鼻詰まりの精密検査を受けたところ、思いがけず鼻腔がんと告げられた。抗がん剤治療や手術によって寛解を目指すことになり、まもなく入院。今回は第7話で、放射線と抗がん剤による治療の様子を描く。
放射線と抗がん剤治療がスタートする
お医者さんから「鼻を開く可能性もある」と聞いて不安に陥るやよいかめさん。






切開手術か内視鏡手術かは自分では選べない。まずはできるだけ腫瘍が小さくなるよう、治療を頑張るしかないと覚悟を決める。













放射線治療は毎朝行われる。初回はスタッフによるまさかの姫対応に赤面。鼻のがんなのに歯科という意外な治療もあった。徐々に入院生活に慣れていく。




入院と言えばお金。保険については、分からないことは何でもプロのスタッフに聞きまくった。これは大事なこと。
放射線の照射については特に痛みはなかった
鼻を開く(=切開手術)も選択肢にあると聞き、大変戸惑ったやよいかめさん。「しっかりと切除するためには、自分の希望うんぬんの問題ではないんだなと感じました。先生からはがんをしっかり取って、寛解させて再び健康な生活に戻す!という信念がビシバシと伝わってきました」。その一方で、手術痕はやはり気になる。「『既婚の40代だったら、ガンを治すためにちっちゃい鼻の傷くらい残ってもいいでしょう』という本音も、先生からはチラ見えしました。その考えは理解できますが、極力傷が残ってほしくない“乙女心”も分かっていただきたいと思いました。女性は死ぬまで乙女ですから(笑)」
治療そのものの苦痛はなかったのだろうか。「放射線治療は、照射中は特に痛みも何もありませんでした。ただ、回を重ねるごとに体のだるさや口腔内の渇きを感じました。放射線治療を受ける前に、放射線科の先生から副作用について脱毛、食欲不振、下痢などがあると聞いていたのですが、そこまで大きな副作用は私の場合出ませんでしたね」
入院して意外だったのは、がん治療のためにさまざまな”科”に関わったことだったという。「鼻の腫瘍なので耳鼻科のお世話になると思っていたら、治療を終えるまでに放射線科、歯科、脳神経外科、麻酔科の先生それぞれに診察を受けました。おそらくほかにも、病理医や放射線技師、薬剤師などいろんなプロフェッショナルの方々が、患者からは見えないけれど頑張ってくれていたんだと思っています。診察を受けた先生方からはいろんな方面からがんについて教えてもらうことができたり、先生同士でも話し合ったりしてるんだなぁと感じることができてよかったです」
よく分からない保険については、事務員に話を聞きまくった
最後には大事な、入院時のお金の話も。「高額療養費制度については、『治療が長くかかる可能性がありそうなので、申請を一年でしといたほうがいいですよ』と医療事務員の方に病院で教えていただきました。がん保険に入っていても、お金のことに関しては分からないことが多いので、とにかく保険の資料を全部持って入院し、わからないことは医療事務員さんに聞いたり、電話して自分が入っている保険の担当の方に聞いたりしました」
”何が分からないのか、分からない”ということでさえ、とにかくプロに聞いていたという。「あと保険会社に提出する書類は、書けるところはできるだけしっかり書いていました。退院後の通院した期間にかかったお金とか。書ききれなくて『用紙をもう一枚送ってください!』とお願いしたことも。手間がかかって面倒くさいですが、せっかく入っていた保険なのでできる限り利用し尽くそうと思いました」
この後さらに治療が進行。そんな中、家族がお見舞いにやってくる。
取材・文=折笠隆