【見知らぬ女の正体は…】「まさか!?」母の死を機に蘇る記憶…あの時“私”を車で送り届けた人物は“私”だった!?

通学路で交通事故があり、どうしても通ることができなかったあの日。声をかけてきたのは…!?

子供のころから文字や絵で補足しながら会話を楽しみ、やがて伝えたいことを頭の中で反芻するうちにそれを漫画として描くようになったという、キタハタエミ(@emi_kitahata)さん。Instagramやpixivにて、エッセイ漫画などを公開している。

今回は、子供の頃の不思議体験を描いた「雨なので仕事休みます(5.5話)」をお届けする。通学路で交通事故があり、そこをどうしても通れなかったキタハタエミさん。来た道を引き返して道端に座り込んでいると、車道に一台の車が止まり、「どうしたの?」と言いながら見知らぬ女性が降りてきた。女性の「お母さんは元気?」という発言から女性は母の友達だと思い込み、家まで送ってもらうことに。

道端に座り込んでしまったキタハタエミさんは母の友達(?)に声をかけられるキタハタエミ@emi_kitahata


「母に会っていきますか?」と聞くと、女性は一度「うん」と返事したものの、しばらくして「ごめん、やっぱいいや」と言って帰ってしまった。違和感を抱きつつ玄関を開けると、愛猫と一緒に待ち構えていた母の雷が落ちる。事情を説明すると家まで送ってくれたのは誰なのかと聞かれ、キタハタエミさんは女性に名前を聞き忘れたことに気付いた。その後、母は思い当たる人に電話をかけるのだが、結局女性の正体はわからないまま。「見ず知らずの親切な人が送ってくれたんだろう」ということになったが、キタハタエミさんは思った、「でもね、お母さん。あの人、私の家の場所を知っていたよ」と…。

家まで送ってくれた女性が誰だったのかは判明しなかったキタハタエミ@emi_kitahata


キタハタエミさんの母は、少し前に病気で他界した。たくさんの人が参列した葬儀のあとでキタハタエミさんは、母が母になるずっと前から続けていた趣味・手芸で使っていた“はぎれ”を家のタンスから見つける。すると次の瞬間、キタハタエミさんは母の愛車で国道沿いを走っていた。ところが、車には10年以上乗っていない…。すぐに「これは夢だ」と悟った。

母は友達や両親に病気のことを伝えずに亡くなったキタハタエミ@emi_kitahata


夢の中で車を運転していると、道端に座り込んでいる少女の姿を見つけた。「どうしたの?」と声をかける。少女の持っているカバンが“母が自分のために作ってくれたものと同じ”であることに気付き、思わず「お母さんは元気?」と尋ねたところでハッとした。あのときの見知らぬ女性はまさか…!?「そんなはずは…」と思うが、そうだとすればさまざまな辻褄が合っていく…!!

母の残した車を運転していると、道端に座り込む少女を見つけたキタハタエミさんキタハタエミ@emi_kitahata

「母はわたしに気付いてくれるだろうか」と思うキタハタエミさんだったが…キタハタエミ@emi_kitahata


夢から覚めた時、泣いていた。母が死んで以降泣くまいと誓ったけれど、本当はすごく泣きたかったのかもしれない。母が残した“はぎれ”を手にしながら、母から入院中に「つらいことも忘れられるほど夢中になれるもの(母にとってはそれが手芸だった)はある?」と聞かれたことを思い出す。

手にしたはぎれが、脳裏の奥深くに眠る母との記憶とリンクするキタハタエミ@emi_kitahata


「母がわたしにくれたもの」、それは一つのことを好きでいられるしつこさと、凡庸な感受性。それらは生活を支える礎にはならないけれど、生きていくための力にはなっている。そのことを改めて強く感じるのだった。

「母がわたしにくれたもの」を胸に生きていくキタハタエミ@emi_kitahata


この世からいなくなってしまったけれど、だからといって存在が無になったわけではない。今回紹介した不思議な体験は「ただの夢」と言ってしまえばそれまでだが、母と子の深いつながりを感じる感動のエピソードなので、ぜひ読んでもらいたい。誰しも長い人生の中で、人に話せば夢だと笑われるかもしれない“不思議な体験”をする日が一度や二度は訪れるかもしれない。

画像提供:キタハタエミ(@emi_kitahata)

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