「赤い頭巾を被った少女の話」視点を変えて描くと復讐!?情景描写と語り口で煽る「斬新!」「面白い」と注目が集まる

童話「赤ずきん」の視点を変えて描いた森本大百科(@mdaihyakka)さんの「復讐」をお届けしよう。赤ずきんは、森の奥に一人暮らしている祖母に荷物を届ける。しかし、祖母は狼に食べられてしまっていて、次に赤ずきんを狙う狼。祖母の格好に化けて赤ずきんをも食べてしまう。その後、現れた猟師によって狼は殺され、狼のお腹に入った祖母と赤ずきんは救出されるという物語だ。
視点を変えただけで恐怖が増す!?

とある山奥の小屋で子供たちの話す声が聞こえる。「僕たちにパパがいたって本当?」子供たちはパパを知らずに育った。

「本当よ」「パパは殺されたの」子供たちが生まれる前に殺されてしまったと伝える母親。その死に様は、とてもひどく残忍だった。遺体を発見した母は、その光景が忘れられず今も目に焼き付いているようだ。

そこに1人の少女が現れる。赤い頭巾を被った女の子だ。彼女は山奥に住む祖母に荷物を届けている。あの子が父親を殺した犯人だ。そう、狼の母親は言った。いつか復讐するつもりで、彼女が現れるのを待っていたと。

赤ずきんをモチーフにした短編作品だが、「切り口を変えるとこうなるのか」とラストの落とし方に納得させられる人の声が届く。また、風景描写が多く語り口のみで進むため、最後まで読まなければ童話ベースであることに気づかないプロットなのも面白い。
大阪よしもとの奇才!コメディと恐怖は表裏一体!?
森本大百科さんは、大阪よしもとで活動中のピン芸人。ニコニコ生放送にて「
入ってはいけない研究室
」やYouTubeで「
ちゃうねん、コントやねん
」を配信している。また、漫画「カバチタレ!」東風孝広先生のアシスタント経験もあり、お笑い芸人にとどまらず漫画執筆も活躍中!
視点を変えると見方が変わるという話は、ウォーカープラスでも大反響を呼んだ献花問題を描いた「価値観」という作品にも通じる。
また、宅配業者の不在配達の恐怖を描いた「留守番電話」やネットの誹謗中傷をリアルに描いた「炎上」など、背筋がゾクリとするラストが多く、人間の心理を逆手に取ったサイコなストーリーを展開を得意としている。
画像提供:森本大百科(@mdaihyakka)