【また不採用!?】自己分析&手書きの履歴書で熱意を!!そんなの全部いらない?行き詰まった就活の闇に光を照らす話題作

いつの時代も「就活」はハードルの高い社会への第一歩。何十社と不採用で先行きが見えなくなり、憂鬱な朝を迎える人も多いはず。同じように「
人生詰んだ
」と就活で全滅した経験のあるコジママユコ(
@cotori9
)さんが描いた「就活で死なないで」が、就活生や同じ体験をした人に心に響くと話題だ。
就活に苦しんだ人や就活に疑問のある人に読んでほしい

ビルの端に佇むリクルートスーツを着た女性。彼女の前に現れたのは、黒い翼を持った黄色の物体だった。

「わたし こういう者です」と差し出した名刺には「非営利法人 就活死とめ会」と書かれている。

リクルートスーツを着て面接に向かう主人公は、すでに何十社と不採用通知が届いていた。「自分のどこがいけないのか?」「採用されない理由は?」と自身の内面を省み、就活カウンセラーにも通った。

不採用になるたびに、憂鬱になっていく面接。面接官の言うことに合わせて、履歴書は手書きで書いたり、できるかぎりの努力をしてきた。

しかし、”とめ会”が「参考にお見せしましょう」見せてくれた映像には、「今年はエンジニア優先にしようか」「今いる職員との相性を考えて…」「おとなしく働いてくれれば…」と話す内容ばかり。

全て会社側の都合だったことを知り「全部会社側の都合じゃん!」と憤るが、とめ会の妖精(!?)は「上手くいかないのは、自分が悪いせいだけじゃないんだよ」と、諭す。今まで不採用だったのは自分に非があると思い込んでいた彼女の心が晴れやかになっていく。

いつの間にか、何も悪くないのに「消えてしまおう」と心を病むほどに追い込んでいた就活。「消えてしまうのはあまりにかなしいよ」と、思いとどまらせることができた。
実話がベースになった「就活の辛さ」を描く
本作は、就活に行き詰まった主人公が悩み過ぎて、行き場をなくしてしまう物語だ。今回は、就活の辛さを漫画にしたコジママユコさんにインタビューした。
――なかなか内定が決まらず、焦っている人に響く漫画となっています。本作を描いたきっかけは何でしょうか?

「コミチ×withnews『
#ミライの就活
』」という、漫画コンテストに応募するために描いた作品です。本作で大賞を受賞しました。
――「就活」で辛い体験を漫画に描いた反響はいかがでしたか?

上記の大賞の際に漫画がYahoo!ニュースでも紹介され、否定的な反応を覚悟していたのですが、共感のコメントを多く頂きました。「あなたがダメだったんじゃなく、会社が採用したい人が他にいただけ」「人事担当は正解ではなくお見合いだと思えばいい」「就活がうまくいかないとき、誰も苦しさを理解してくれなくて死にたいと思いつめていたけど、今思うと就活自体が異常だったな」などのコメントを頂きました。
――就活に煮詰まっている時に、気分を変えられるようなアドバイスはありますか?

漫画で賞を取るようになり気付いたことがあるのですが、賞に落ちるときは理由が一つだけあって「自分のよりもその賞にふさわしい作品があったとき」です。就活もそうだと思います。他に適任の人がいたから内定が出ないのであって、あなたの人格が悪いからではありません。そのことはぜひ覚えておいてほしいです。

また、社会人になってから「就活のこういうところがおかしいと思ってた」という話をする機会が度々あったのですが、社会人で今の就活のシステムを完璧だと思っている人に会ったことがありません。違和感を覚えるのは当たり前のことなので、自分の感覚を大事にしてください。

本当は「就活生が就活に適応するためのアドバイス」ではなくて「就活のシステムってこういうところがおかしいよね」という話をもっと大人の側からしないといけないのではないか、と思っています。
――本作「就活で死なないで」の他にどのような漫画を描いていますか?
『
就活全滅日記
』という漫画の連載をしています。私の実際の経験をもとに、就職浪人しても内定ゼロだった人が、その後どのようになったかまでを描く内容となっています。就活に苦しんだ人、就活に疑問のある人にぜひ読んでいただきたいです。
本作を読んで「オンラインなので、友人がどのように活動してるか分かりにくい」「相談なんてできなくて」と悩む就活生や「むしろ落とした会社は見る目がなかったんだな。こんな逸材である私を見逃すなんて!」って思ってるくらいがちょうど良いのかもと前向きな意見が集まる。
「まともな会社」が何なのか。就職してみなければ、自分に合っていたのかは分からない。何のために就活をしているのか分からなくなった人が読むと、もう一度自分と向き合うことができる漫画だ。
■取材協力:コジママユコ(@cotori9)