「背後から囲われ」口の中を掻き回す怪異!?「ちょっと上から目線なのに丁寧な口調」がまさか読者のどちゃくそ好みだった?

味覚の悪夢(1)画像提供:(お)さかなのすりみ(@sago_okappa)

人は毎日夢を見るという。だが内容を覚えていることは少なく、時間の経過とともに記憶から消滅する。しかし、記憶に鮮明に残るような衝撃的な夢を見たら?距離感のバグった怪奇に襲われるような――。実際に見た夢を「悪夢シリーズ」としてpixivに投稿している(お)さかなのすりみ( @sago_okappa )さん。今回はその中から、恐怖体験なのに「こういう夢見たい」「たくさんの手に襲われてみたい!」と、なぜか共感を集めている「味覚の悪夢」と「道案内の悪夢」の2本をお届けしよう。

実際の悪夢体験をショート漫画として残している

味覚の悪夢(2)画像提供:(お)さかなのすりみ(@sago_okappa)

物語の最後にすべての出来事は夢だったという“夢オチ“展開は漫画でよくある手法だが、本作は夢ネタである。突如、背後から囲われるように怪奇が現れ、優しい口調で「何を飲んでいるのですか?」と問いかけられる。

味覚の悪夢(5)画像提供:(お)さかなのすりみ(@sago_okappa)

驚きの展開は、ここから。ミルクティーを味わいたいという怪奇は「では、ひとくちだけ」と言って主人公の口の中に入っている紅茶の味を指で見定めようとするのだ。これが本当ならかなり怖いと思うが、一体どこまでがリアルでフィクションなのか?作者の(お)さかなのすりみさんに話を伺った。

味覚の悪夢(3)画像提供:(お)さかなのすりみ(@sago_okappa)

――これは夢という設定ですが、本当にみた夢ですか?だとしたらかなり怖いですよね。

悪夢シリーズは、どれも全て実際に見た悪夢をそのまま漫画に起こしています!セリフが一言一句同じとは言えませんが、登場する異形の姿形や物語のストーリーはほとんど変えずに、私が見た夢を見たまま描くようにしています(かなり怖いです)。

実は元々夢見が悪いんです。何日かに一回は怪物(?)が夢に出てくるので、夜中に飛び起きたり、朝とても怖い気持ちで目覚めたりします(私は異形頭フェチなので怪物が出てくること自体はウェルカムなのですが、実際目の前に現れると怖いです)。最近は、夢をある程度コントロールしようと頑張っていますが、それでも見る時は見るのでどうしようもないです。まだまだ修行が足りません。

味覚の悪夢(4)画像提供:(お)さかなのすりみ(@sago_okappa)

――「お憑かれさま」「あなた憑かれてる」というコメントもあります。すりみさんは、悪夢以外の恐怖体験もありますか?

中学生の頃に友達とこっくりさんをして「カメラにロン毛の女の人が映ってる!」と大騒ぎしたことはありました。今思えばレンズのゴミを見間違えたかコントラスト設定によるものなのですが。また、恐怖体験とまでは言えませんが、旅行先で立派な“しめ縄”がかかった鳥居を撮影した時、カメラのシャッターを切った瞬間にしめ縄がズドンと落ちたことがありました。あれは本当に怖かったです…。

この世にはたくさんの不思議や怪奇があるんだろうなと信じてはいますが、私はこれといって霊感や第六感はなく、人智を超えた恐ろしいものに出会ったことも、特別変わった体験をしたこともありません(怖いので、これから先も一生無くて良いです)。強いて言えば、先日受けた自動車の仮免試験で、S字クランクが脱輪スレスレだったことが恐怖体験でした(笑)。

味覚の悪夢(9)画像提供:(お)さかなのすりみ(@sago_okappa)

――ホラーとエロのマリアージュという意見もありました。実際に夢として見ている時は、恐怖を感じているんですか?

「ホラーとエロのマリアージュ」ってすごく言い得て妙だなと思って、そのコメントを見た時は思わず笑ってしまいました。私の悪夢からエロ成分を抽出できた皆様はかなり上級者です。性癖が引き返せないところまで来ていらっしゃいますね……。

日によって程度は異なりますが、夢の中では基本的に恐ろしい目に合っているので、それに合ったレベルの恐怖を感じています。しかし、そればかりと言うわけでも無いようで、恐怖が根底にあることは変わらずとも、怒ったり悲しんだり、イライラして抵抗・反抗したりすることもあるみたいです。

目が覚めた直後は夢と現実の区別がついていないので混乱。意識がはっきりしてからは、夢の中で散々味わった恐怖の名残りと「良い夢見たな〜(余裕&末期)」という妙な喜びが混ざって、情緒がグチャグチャになります。

味覚の悪夢(10)画像提供:(お)さかなのすりみ(@sago_okappa)

――「反抗的なのき相変わらず」というセリフは何度も会っている気がしますが、この辺りは何か裏側の話がありますか?

見た夢をそのまま描いているだけなので、とくに何か裏設定を考えていると言うことはありません。むしろ漫画として描いている時に初めてこのセリフの異常性に気が付き、「何これどう言うこと!?初対面じゃないの!?」と怯えまくっています(本当に何…?怖…)。実際、似た見た目の怪物を繰り返し夢に見ることもあるので、初対面でないとも言い切れませんが、これに関してはシンプルに私の好みが夢に反映されているだけだと思います。

道案内の悪夢(1)画像提供:(お)さかなのすりみ(@sago_okappa)

――その他、どのような漫画を描いていますか?

現在、悪夢シリーズの新作を執筆中です!11月27日(日)に東京ビックサイトで開催予定のコミティア142・サークル名「粉砕白身魚」にて、公開中の「道案内の悪夢」「味覚の悪夢」を一部加筆修正したものに加え、執筆中の新作2本を追加した計4話を一冊の本にして頒布します。BOOTHでの販売も検討していますので、お手に取っていただけると幸いです!また、普段は日常の出来事を「すりみ日記」として漫画にしています。Twitterやpixivにシリーズを投稿していますので、そちらもよろしくお願いします。

眠りが浅いレム睡眠状態だと人は夢を見るという。背後から襲われる恐怖。口の中から味覚を搾取される恐怖。実際には怖すぎる体験は、むしろ夢オチで良かったのかもしれない。

■取材協力:(お)さかなのすりみ(@sago_okappa)

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