【いきなり父娘】55歳独身男性が8歳の娘のパパに!?2人暮らしで生活は一変!ワケあって父子家庭はじめました【作者に聞いた】
死ぬまで独身だと思っていた55歳ギャグ漫画家が、ある日、2人の子供を持つシングルマザーと結婚!家族4人でいっしょに暮らすに至るまで、ワケあって半年間、8歳の娘と2人きりで暮らすことになった。長い間、独り身で気ままに過ごしていた日常が一変!育児に孤軍奮闘する生活を描いた渡辺電機(株)さん(
@w_denki
)の『父娘ぐらし 55歳独身マンガ家が8歳の娘の父親になる話』を紹介しよう。
半年間、8歳の娘と55歳の父の2人暮らしが始まった

渡辺電機(株)さんは、明治大学在学中より石ノ森章太郎氏のアシスタントを経験し、漫画家へ。デビューから30年余年、ギャグ漫画を描きながら気ままな独身ライフを謳歌していた。転機が訪れたのは55歳の春。16歳年下のシングルマザーと結婚し、8歳と3歳の2人の娘の父親になったところから物語は始まる。


入籍した頃、奥さんと子供2人は大阪在住。長女のアユちゃんは発達障害があるため、スムーズに新学期が迎えられるようにと、一足先に東京にきて学童保育に通うことになった。
渡辺さんのことを「パパ!」と呼んで、懐いてくれるアユちゃん。この頃の渡辺さんは、漫画の連載が終わったばかりで、この先の収入の見込みがなかった。できるだけ節約したい状況だが「食べたい!」と、言われて無下にできず、渋々アユちゃんの欲しいものを購入した。この時、渡辺さんは子供にこんなにもお金がかかるとは思っていなかったという。


少し前までは子連れの親子をみて舌打ちする側だった自分が、まさか保護者になるとは。それでも、小さな体が自分を信頼し、寄せてくれる「ぬくもり」は、何者にも代えがたいと思わせてくれた。
55歳でいきなりパパ!思っていたのと違う!?生活の軸は完全に子供中心に
子供のお世話、食事づくり、学童のお弁当準備など初めて尽くしの新生活。独身ライフから一転し、8歳の娘と暮らして変わったことを渡辺電機株)さんに伺った。

――55歳で初めての子育て、思っていた育児はどのように違いましたか?
「自分の生活の中に子供の世話が加わる」くらいに考えていたら、それどころではなく、生活の軸が完全に子供中心になりました。学校の用事、健康状態、生活の世話、メンタルのケアなど、目まぐるしく押し寄せるミッションをこなしていたら、いつの間にか自分の聖域は全部無くなっていた、そんな感じでした。

――第1話当時、8歳のアユちゃんと2人暮らしがスタート。渡辺さんはそれまで独身だったわけですが、突然子供と2人で生活することでどのような変化がありましたか?
独身時代は一日中黙って無表情でいるのが当たり前だったのが、朝から晩まで気を遣って喋り笑い続ける暮らしになりました。大人同士のルームシェアや同棲・新婚生活を経験せずイキナリ父子家庭だったので、かえって「今までの生活とはお別れだ」という覚悟ができたのは、良かったです。

――漫画で読むととてもコミカルで面白いのですが、生活する上で気をつけていたことはありますか?
とにかく、子供に対して感情的にならないことです。子供は大人のちょっとした不機嫌にも敏感に影響されるので、叱る時もとにかく明るく、感情的にならないように気をつけていたら、本当にそういう怒らない人になってしまいました。何か起きても逆上することもなく、とりあえずビックリしながら対策を考える、今はそんな感じです。

――まずい手作り弁当の第3話。まずかったのにアユちゃんが「パパのお弁当がいい!」というセリフに、涙しました…。飾らない会話がすごく染みましたが、アユちゃんと打ち解けるのは早かったですか?
実際はあんなに心を刺す会話があったワケではなく、まあ演出もあるんですが。打ち解けるのはすぐでした。まあ、よその子もだいたいスッと仲良くなれるので才能かもしれません。漫画家より保育士が向いていたかも。

――子育てに悪戦苦闘しながら学校行事にも参加していて、とてもいいパパだと思います。現在のアユちゃんとの関係性はどんな感じですか?
アユとは性格的にかなり馬が合う方だと思います。今ではテンポ良く冗談の掛け合いをしてくれます。まあ、合わせてくれてる面はあるのでしょうけど。
――その他にどのような漫画を描いていますか?
アユとの2人暮らしもずいぶん前の話になってしまったので、今の生活をリアルタイムで絵日記にして、毎日Twitterに上げるようになりました。また、月に1回くらいのペースで、直近の出来事をコミックエッセイにして、これもnoteとTwitterに上げています。これらをまとめた「
還暦子育て日記
」をAmazon Kindleで公開しているので、読んでいただけると嬉しいです。
半年に渡る父子家庭の生活を描いたエッセイ漫画は、noteやTwitterで大きな反響を呼んだ。さらに現在は3人目の子供が生まれ、削られる体力を嘆きながらまだまだ育児の最前線を爆走中!独身からいきなり子持ちパパとなった渡辺さんだが、今までよりも人生が何倍も楽しくなったと語ってくれた。
画像提供:渡辺電機(株)(@w_denki)