中退を決意、引き留められると思いきや…先生からの「好きな漫画を」のエールに「素敵」「ホッコリする」【作者に聞いた】

ウォーカープラスでは今年も、SNSで反響を集めた作品や作家を数多く紹介してきた。2022年も残すところあと少しの今、今年特に反響を集めた作家の作品で本年を振り返りたい。今回は、漫画家のるしこ( @39baby_com )さんが7月、Twitterに投稿した「忘れられない先生の話」をお届けする。

先生の優しさがあたたかすぎる…!専門学校の恩師からのエールに感動画像提供:るしこ(@39baby_com)

「好きなように漫画を描く」指針になった恩師の言葉があたたかい

2019年に生まれた息子と夫婦の日常を、SNS上でコミックエッセイとして発表しているるしこさん。Twitterで3万件を超える反響を呼んだこのエピソードは、るしこさんが10代の頃、専門学校時代に受けた恩師からの言葉を振り返った思い出だ。

「忘れられない先生の話」1画像提供:るしこ(@39baby_com)

漫画の専門学校に通っていたるしこさん。学校で教わる“正解のある漫画”に苦悩し、漫画を描くことが嫌いになる前に中退を決意した。そんな時、担任の先生から呼び出され、るしこさんは、先生をどう説得しようかと身構えていた。

「忘れられない先生の話」2画像提供:るしこ(@39baby_com)

が、予想に反し引き留められたりはせず、世間話でもするかのようにのほほんとした笑顔を浮かべるばかりの先生。「学校ではプロの漫画家を目指して教えるけど」と一方の事情に触れながらも、それが漫画の全てではないと話す。

「忘れられない先生の話」3画像提供:るしこ(@39baby_com)

るしこさんの作品だけでなく、その人となりも見守っていた先生は「学校辞めてもるしこの好きな漫画を描いてさ」と、どんな形でも“好きな漫画”を続けてほしいと、るしこさんの気持ちを尊重して背中を押してくれたのだった。

公私に激動の日々、「描かずにはいられない」と再確認した一年に

「忘れられない先生の話」4画像提供:るしこ(@39baby_com)

Twitterでは読者から「ほろっと涙が出ました」「素敵な先生ですね」「気持ちがホッコリする」と、多くの感動と共感を呼んだ一篇。るしこさんは学校を辞めた後も、働きながら同人誌やWebサイト、また絵日記などで自分の好きなように漫画を描き続け、今年自著の出版に至った。そんなるしこさんの、漫画家としての人生の転機を振り返ったエピソードだ。


単行本『ちっちゃなやさしさに、今日も救われてます るしこの子育て日記』が刊行されたほか、日々成長する息子とともに、今年は猫の「テオ」も家族の一員として加わり、るしこさんにとって公私ともに大きな一年となった2022年。

「来て1週間」画像提供:るしこ(@39baby_com)


るしこさんは、「今年は初めての紙の書籍が刊行されたり、そちらが重版かかったり、はたまた進行していた企画が休止になったり、これまでになかったお仕事のつながりができたり……と、漫画制作の環境に大きな変化がいくつもあった年でした」と、漫画家としての一年を振り返る。

その上で「また、スケジュールが詰まっていても、落ち込んでいても、ゲームに夢中になっていても(笑)、日記漫画はずっと描きたい気持ちを持っていられるんだなあ、描かずにはいられないんだなあと」と、再確認できた年にもなったと話す。

そんなるしこさんに、来年の抱負をうかがった。

「来年の目標はいろいろありますが、一番は『健康』です!今年は息子の幼稚園入園で4月、5月はずっと家庭内風邪ループが起きていて、何も思うように進まないなか焦るばかりで……まったく作画ができなかった期間に、自分にとっての“表現すること”の大切さを思い知りました。

子育ての日常や、心動かされたこと、忘れたくないことを形にして残していく……。ずっと趣味として続けていたことですが、わたしにとっての表現イコール漫画制作と投稿は、すでにそれをしないといられないくらいには大切な、自分の歩みを確認するような、大それた言い方をすると『生きている証を残す』ような行為だったのだと思います。来年もそれ以降も描くことを続けていくために、まずは健康に気を付けよう!というのが目標です」

取材協力:るしこ(@39baby_com)

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