「最近の若者は…」ひとくくりにしてない?見た目がチャラくても正義感ある行動が“尊い!!”今どきの若者は関われば関わるほどがポイント【作者に聞いた】
些細な日常会話で使ってしまう「最近の若者は…」若者をひとくくりにした批判的な言葉だが、最近の若者は悪くない、むしろ尊いを描いた桐谷のば(@sansitakiritani)さんの『最近の若者が尊い話』を紹介しよう。
派手な格好をしていても正義感溢れる行動を示す若者は多い

金髪にピアス。髪を染めていたり、アクセサリーをジャラジャラつけていると見た目だけでチャラ男と決めつけてしまう昨今。しかし、今の若者たちは見た目ではなく行動や個性を見て判断すべきだ、というのは主人公の田中だ。

実は、見た目だけで「不良」と印象づけられてしまいそうな、金髪高校生に助けられたことがあるのだ。それは、移動中の電車の中。座席シートでついうたた寝をしてしまったときのこと。ふと気づくと、足元に金髪の高校がいるではないか!?

「誰だ君は?」と田中が尋ねると学生は「おっさんのカバン、隣のグラサンに盗まれそうになってたぜ」と、体を張ってスリをから守ってくれた。

ある人は「あんなところに座り込んで」「睨んでる」「怖い、最近の若者は」と陰口を叩くいていたが、話を聞けば助けられていたのは田中の方だった。見た目だけではわからない正義感を持つ青年に田中は「実に尊い!」と喜んだ。

さらに会社の新人は、ミスが多く田中がいつもサポートしている。「あざっす」「すみませんっ」と口調は軽く、なかなかミスが直らない。

しかし、田中が疲れているときを狙ってエナジードリンクを買ってきてくれる優しさを持ち合わせている。口には出せないが、悪いと思っている感謝の印を表してくれる後輩を「尊いぞ」思う田中。

一見すると礼儀がなっていないと思う口調だが、行動の根底には人を思う優しさが含まれている。そんな若者の行動を肯定的に捉えた田中に「こんな会社に入社したい!」「この職場どこにあるんですか?」などのコメントが相次いだ。

「些細な日常会話をしている時だったと思うのですが、ふと自分自身が『最近の◯◯は~』と言ってることに気付きました。でも、『最近の◯◯は』と言っている反面、『ほんとにそれが最近だからなのか?』と疑問に思ったんです。私たちが生きてきた中で出会ったことのない物や人、風習は『最近の◯◯は』の定義になるのではないかと…。じゃあ、私が会ってみたい人や憧れていること、実際に感動したことを漫画にして新しい『最近の◯◯は』を作れるのではないか?と思いました」それが本作を描くきっかけになったと桐谷さんは語る。

人は、見た目だけで判断してしまいがちだ。けれど、若者のキャパは広く「歳だから」「~だから」という固定観念を持たない。「今も若者は自分にはないものを持っている存在だと思います。いろいろなことを教えて欲しい存在ですね!教えてください!」(桐谷さん)
例え敬語がうまく使えなくても、関われば関わるほど「最近の若者は尊い」ということを漫画を通して感じられる。
取材協力:桐谷のば(@sansitakiritani)