「予想の斜め上過ぎ」文学少女を救った、正しいけど間違いすぎな“本の力”描く短編にツッコミ多数【作者に聞いた】
たとえ体が弱かったり腕力で劣っても、知性を磨けば力となり、強くなれるのが人の世。気弱な文学少女も“本の力”で救われるが……。「力」の意味がある意味正しく、ある意味間違いすぎな短編漫画が「驚きの変貌」「展開が180度違った」とTwitter上で反響と笑いを呼び込んでいる。

「本が助けてくれる」の意味が予想外…気弱な文学少女の救われ方に爆笑
漫画家の赤信号わたる(
@GoAkashin
)さんは、コミックヴァルキリーにて『
ヤンキー悪役令嬢 転生天下唯我独尊
』(最新第2巻は2023年1月7日発売)を連載するかたわら、精力的に個人制作の漫画も発表。昨年12月にTwitterに投稿された「本に救われた文学少女」も多くのユーザーから爆笑を誘っている。

古いシミがついた本を大事そうに読む少女。「いつも私を助けてくれる」と本を愛する彼女は、近所の悪ガキたちから「もやしっこ」といじめられてもいた。はやし立てるいじめっ子に「や、やめて」と、消え入りそうな声でつぶやくも、その態度が気に入らず悪ガキは暴力を振るおうとする。

が、少女は持っていた本の表紙で拳を見事にガード。よく見ると読んでいた本のタイトルは“誰でも使える護身術”。実は先ほどの「やめて」も、よくよく聞くと「やめておけ」という警告だったのだ。そして「叡智の力を思い知れ!」と、本を武器に用いた護身術で見事少女はいじめっ子を撃退する。

その後、今度は“人体研究”の本の知識をもとに究極の体を手に入れた少女。並みいる不良たちをハードカバーの角で打ち倒すほどの実力を身につけた彼女は、「知は力なり」という格言を引用し「ならば力も知!!」と豪語するのだった。
「あまりのくだらなさに自分で笑ってしまった」破壊力大のネタの裏側
本で学んだ知識を、本を使って物理的にも活用するたくましい少女を描いた短編漫画。「本に救われた」というタイトルや「本はいつも私を助けてくれる」という台詞に一切偽りはないものの、ユーザーからは「本=物理なので仕方ない」「予想の斜め上過ぎ」というツッコミが多数。また「一枚目、本が汚れてるがもしかして返り血」と、実は最初から少女の救われ方が示唆されていたことにニヤリとするユーザーも見られた。
巧妙に仕込まれたネタやオチだけに、冒頭に描かれる少女はいかにも儚く繊細でギャップも大きい。赤信号さんも意識したポイントだそうで、「今回はオチから思いついたので一コマめでどれだけギャップが出せるかが肝心だと思い、できるだけ可愛く描けるよう心がけました」と話す。
「本来の文学少女のイメージとできるだけ真逆のキャラを作りたかった」というところから今回のアイデアを膨らませていったという赤信号さん。
「『知は力なり』という言葉を使ってなんとか反転できないかとまず考え、“知イコール力”なら“力イコール知”だな…ん?ち、『ちからもち!』という言葉が浮かんで、あまりのくだらなさに自分で笑ってしまったのでそれを採用しました」と、「力も知(ちからもち)」という名言が誕生した過程を教えてくれた。
取材協力:赤信号わたる(@GoAkashin)