“天使”と付き合うはずが、現れたのは“強めな見た目”のお姉さん!?ギャップに胸キュンな連作に「マジ天使」の声【作者に聞いた】
「天使と付き合いたいです!」という神頼みが通じた少年。けれど、やってきたのは理想の“天使”像とは一見真逆の女性で……?pixivコミック月例賞(2022年10月投稿分)で優秀賞を受賞した「毎日お祈りしてたら天使が来てくれた話」は、さまざまなギャップが心くすぐる短編漫画だ。
作者は、「少年サンデーS」などで作品を発表している漫画家の頼間リヨ(
@R4_119
)さん。ウォーカープラスでは、個人制作として描いた本作の舞台裏を訊いた。

(本当は悪魔なんじゃ…)先入観を裏切るピュアな一面がグッとくる
同作は、頼間リヨさんが2022年7月から8月にかけて、自身のSNS上で公開した作品だ。
叶うはずもない願いを、毎朝神に祈るのが日課の少年が、ある日、「天使と付き合いたいです!!!!」と願った時のこと。「その願い叶えましょう」と天の声がささやいたかと思うと、突如少年の部屋に一人の女性が現れる。

だが、その出で立ちは、ジャージにサンダル姿で、口紅鮮やかな口元にはくわえたばこ、両耳にはピアスをばっちりつけ、ジトっとにらむような三白眼の黒髪美女。申し訳程度に背中に白い翼は見えるものの、一般的な天使のイメージからはかけ離れた“強いお姉さん”だった。

少年の日課に「毎日毎日あほな願い事して…」と呆れ果てすごむ女性に(本当は悪魔なんじゃ…)と戸惑う少年。だが女性は、部屋が禁煙と告げれば「ごめんなさい」とすぐ謝り、それを見て「素直なんすね」とつぶやけば「はっ?素直とかじゃねえし…」と、顔を赤らめ分かりやすい照れ隠し。その様子に「ちゃんと天使だ」と確信した少年と天使の短編日常ラブコメだ。
「強そうなのに、どこか儚い…」作者のこだわり詰め込んだ天使のキャラデザ

宗教画やフィクション作品などに描かれる天使とはかけ離れた姿、そんな強めの容姿や振る舞いからくる先入観との落差大の“まさに天使”な一面と、二重の意味でイメージとのギャップが心くすぐる作品。
2022年7月に第1話がTwitter上で公開されると、1万9000件超のいいねとともに「天使ちゃんマジ天使」「かわいい」「続きが気になります」と読者から話題を集めた同作、その制作のきっかけをインタビューした。
――「毎日お祈りしてたら天使が来てくれた話」を描かれたきっかけを教えてください。
「商業漫画のネーム作成に詰まっていた時に、自分が比較的描きやすいショート漫画を描きたい!と思ったのがきっかけです。はじめは趣味全開だったので公開するかどうかも迷いましたが、読者から思った以上に反応があり『ショート漫画たのしい!』と、更に火がつき続きを描きました。今は別のショート漫画を描いていますが、少年の天使の二人は自分でもお気に入りです」
――涙袋にけだるげな三白眼、黒髪ロングに両耳ピアスと、天使のキャラクターにはこだわりを感じます。
「さらさらロングヘアのインナーカラーにこだわりました。また、お化粧をしているとわかるように涙袋や口紅を目立たせました。『強そうなのに、どこか儚い…』みたいな子が大好きなので、あえて髪は巻いてないイメージで……。自分の性癖をつめこんだ女の子です。そういう子の中身がちょっと親近感あるのいいですよね」

――本作をはじめ、キャラクターのギャップによる魅力が持ち味の一つに感じます。ご自身でも意識している部分でしょうか?
「自分の強みとか漫画の面白さってあんまりわかっていなくて、担当さんに言われて意識し始めたのがきっかけです。周りの方に褒めていただいてはじめて『あ、これよかったんだ…』と気付けているのでありがたいです(笑)」
――Twitter掲載時も読者から「かわいい」と反響を集め、pixivコミック月例賞も受賞されました。反響についてはどう感じられていますか?
「趣味で描いた漫画が自分のモチベを更にあげてくれる結果になり、とても嬉しいです。読んでくださる読者さんやpixivの方に感謝しかありません。本当にありがとうございます!」
――漫画家としてのこれからの目標や抱負を教えてください。
「今後もショート漫画をたくさん描きながら自分の作品を進めたいと考えております。商業でもうれしい話をいただいているので、お待ちいただければと存じます!よろしくお願いいたします!」
取材協力:頼間リヨ(@R4_119)