クールなあの子、本性は激重ストーカー!?秘めた愛が振り切れすぎな短編漫画に「怖いけど好き」と反響【作者に訊く】
冴えない少年が憧れるのは、誰にもなびかない同級生のクールな美少女。だが、その本性は筋金入りのストーカーだった!?こじれらせすぎな両片思いのすれ違い描く創作漫画「憧れのあの子がストーカーだった話」に、怖くも笑えると5万8000件以上の「いいね」とともにTwitter上で反響が集まっている。

作者はコミックウォーカー他にて『池袋でホスト始めたら1億売れた話。』(原案:あばらいれんじ。)を連載する漫画家のくすのき(
@ku_sunok1
)さん。同作が生まれた舞台裏について話を訊いた。
底なしのストーカー女子と気付かない男子の、ヤバくもほほえましい両片思い
くすのきさんが2022年4月から不定期でTwitter上で公開している同シリーズ。自他ともに認める“陰キャ”男子の藤森は、いつも表情を崩さず堂々と振舞うクールな同級生・来見さんに憧れを抱いていた。

自分と住む世界が違うと感じて声もかけられない藤森だが、実は来見さんの正体は藤森一筋のストーカー。消しゴムをなくした藤森に無言で自分のものをそっと貸したと思いきや、「藤森の消しゴム」を盗んだ上に「藤森が使った自分の消しゴム」までゲットしたり、木の上に潜んで藤森の音声を録音したりと、ありとあらゆる手で藤森にかかわるものを集め続けていたのだ。


犯罪レベルで暴走する愛情を本人にはまったく見せない来見さんと、そんなストーキングに気付かず「少しでも仲良くなりたい」と純粋な好意を持つ藤森のすれ違う日常が描かれるラブコメ作品。読者からは「愛が重いの可愛すぎ」「いいぞ、もっとやれ」「君たちお似合いだよ」と、その歪な関係性にさまざまな声が寄せられている。

「好きなものを好きなように描く」激ヤバ女子と鈍感男子が生まれたわけ
作者のくすのきさんは、事故死した恋人を霊媒でこの世に留まらせる女子高生を描いた『ヤンデレ彼女に眠らせてもらえない話』を手掛けるなど、商業作品でも愛情が暴走する“ヤンデレ”を魅力的に描いてきた。「好きなものを描きたい」という思いから描き始めたという同作の舞台裏を取材した。

――『憧れのあの子がストーカーだった話』を描いたきっかけを教えてください。
「具体的にハッキリとした企画があったわけではないのですが、自分の好きなものを好きなだけ描きたい!という気持ちから生まれました」
――熱烈なストーカーぶりをクールに伏せる来見さんと、素顔を知らずけなげに憧れる藤森くんのキャラクターが魅力的です。
「描き始めは『もし自分の好きな人が、自分のストーカーでやばい奴だったらおもしろいな』というフワフワしたものでした。2人のキャラとしては、好きな人のことを知りたいと陰で行動する女と、憧れの人と仲良くなるために行動したいけど勇気が出ない男で、ひたすら二人とも不器用に一生懸命愛情表現できたらいいなと思っています」
――藤森くんがデフォルメで描かれることが多い分、来見さんの恍惚の表情がより焼きつきます。作画の面で特に意識されているポイントはありますか?
「来見さんの表情は作画の中で一番力を入れています。普段は美人で綺麗で近寄りがたいような空気感がある女子の、予想できないようなやばい顔が割と好きなのもあって、できるだけ普段の顔と興奮している顔の落差を激しくするようには意識しています」

――本作を描いていて、こんなところが楽しいというポイントがあれば教えてください。
「作画は断然来見さんを描くのが好きなんですが、ネームを練る段階では藤森やクラスメイトなどのサブキャラが描いていて楽しいです。好きなものを好きなように描くための作品だったので、みんなイキイキしてくれて楽しいです」
――読者からは「ぞくぞくする」「ヤンデレ」という声や「結ばれろ」と応援する声までさまざまな反響が寄せられています。
「届いているコメントはすべて読ませていただいていますが、どれもとても嬉しいです。ありがとうございます。続編は『もし反応あれば続きを書こう』くらいのゆるゆるした気持ちでしたが、今のところ今後も描く予定でいます。未だに来見さんと藤森くんは一言も会話ができていないので、二人にはどうにかしてとりあえず喋ってもらって、どこかで何かしらの進展があればいいなと思っています」
取材協力:くすのき(@ku_sunok1)