「目も耳も体も持っていない」と話す患者!?自分の存在を否定する病気にかかり絶望の人生を歩み続ける女性…【作者に聞いた】

「私は何も持っていない…目もない…耳もない…」と話し出す患者さん画像提供:ナース専科

幼少期から絵を描くことが大好きで、漫画家として活動中のアヤ (@aokitaji) さん。現在は看護師・看護学生向けの総合WEBメディア『ナース専科』にて看護師のエピソードを基にした漫画を連載している。2023年3月に公開された「私は何も持っていない…目も、耳も、体も“持っていない”ある患者さんの話」は、病気によって自分の存在を否定し絶望の人生を生きる患者さんのエピソード。本作を描いたきっかけや裏話などについて、アヤさんに伺った。

統合失調症を患うYさんに明るく話しかける看護師 01画像提供:ナース専科


――ナース漫画を描くにあたり、何か工夫されていることがあれば教えてください。

「読者の方々が、看護師さん側、患者さん側、双方の気持ちに共感できるような漫画に仕上げることができるよう意識しています」

Yさんの発言を聞いて、コタール症候群の可能性があると予想する医師 05画像提供:ナース専科


――患者さんはコタール症候群の可能性があるようですが、この病気についてどのように思われますか?

「この漫画を描かせていただいて、初めてこの病気を知りました。あくまで私の個人的な考えですが、誰にでも心の中にこの感情は潜んでいて、その感情と共存するにあたり分かち合ったり、消化したり、癒やしたりし合える仲間が周囲に居るか居ないかで、発症するかしないかが変わるのではないかなと思いました。20代の頃から苦しまれているこの患者さんを思うと切ない気持ちでいっぱいになると同時に、少しでも乾いた心を潤してくれる何かに救われることを願わずにはいられません」

Yさんは今も絶望の中にあると感じる看護師 06画像提供:ナース専科


――看護師から募集したエピソードを基に漫画が描かれていますが、アヤさん自身看護師に関するエピソードなどはありますか?

「看護師さんのお仕事に関しては常々尊敬しておりますが、個人的には次男を出産した際にテキパキと対応してくれた逞しい助産師さんと、ずっと側で寄り添い励ましてくれた研修生の方に大変救われたことが印象的で、今でも忘れられない良い思い出となっています」

最初は反応がなかった患者のYさんだが、少しずつ反応が返ってくるように… 02画像提供:ナース専科


――アヤさん自身は、看護師という職業についてどのように思われますか?

「日々たくさんの命を救い、病気や傷を癒やすことのやりがいは相当なものだと思います。ですがそれと同時に、毎日のように救うことができなかった命や苦しむ姿に向き合うことの重圧は想像を超えるものだと思いますし、それでも毎日立ち上がり手を差し伸べ続けて下さる看護師の方々には頭が上がりません。心から尊敬しております」

Yさんは自分が存在しないと思い込むことが安全地帯なのだろうか… 07画像提供:ナース専科


――最後に、読者にメッセージをお願いします。

「読んでくださりありがとうございます。私の漫画を通して、少しでも何か心に響くものがあったり感動を与えることができれば幸いです」

「ナース専科」にて連載している漫画は、実際に看護師から募集したエピソードばかりだ。他の作品もあるので、気になればぜひ読んでみて!


取材協力:アヤ(@aokitaji)

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