「お前だけ一台も売れてない」新入社員ディーラーの沼!人を見た目で判断してない!?漫画で教訓を学ぶ【作者に聞いた】
新人営業マンがぶつかる「ノルマ」の壁。憧れの自動車メーカーに入社した、田端。
目標はトップセールスマンだが、本人の気合とは裏腹にまだ一台も売ることができない
。本人なりに奮闘するもののどこか空回りしているのは否めない。「なぜ成約が取れないのか?」支店の同僚や先輩の仕事から学んだり、お客様と触れ合いながら少しずつその理由を掴んでいく成長漫画、みこまる( @micomalu )さんの
「田端、明日は売るつもり!」
をお届けしよう。
「売りたい!」熱意だけが暴走して、お客様の顔が見えていなかった

本作は、株式会社クニエが主催するWEB漫画賞「クニエ漫画グランプリ2021」でSNS読者賞を受賞した作品。「共感」をテーマに描かれており、働く側から見てもお客側として読んでも納得!自動車ディーラーの仕事の裏側が実に丁寧に描かれている。

自動車販売店の新人営業マン、田端。入社してまだ一台も車が売れていないのは、彼だけだ。売りたいという気持ちばかりが先行して、肝心の「お客様の心」を掴めていない。それもそのはず、小さな子供が泣き出してしまったにもかかわらず、お客様を待たせて見積書を作ってしまったり、農作業のバンに乗って試乗にきたお客を同僚に回したりと、自分の気持ちを優先させてしまい一方通行なのだ。

そんな折、先輩が風邪で病欠。田端は、車検の引き渡しを頼まれた。お客の名前は「早乙女薫」。乙女チックな名前だが、販売店にきたのはイカツイ男性だった。田端のわかりにくい整備修理の説明に「日本語で説明しぃや」と、怒り気味の早乙女氏。

担当した整備士のフォローで事なきを得たが、まだまだ勉強不足を感じた田端。田端が少しずつ成長しながら「お客様と心が通じる」ってこういうことなのかーーを掴み取る最終話は、ノリのいい彼らしい波乗りパフォーマンス!

ーーお客として訪れることはあるが、なかなか知らないディーラーの裏側。本作を描くにあたって、実際に取材をしたそうですね。
はい。取材前にアンケートを取らせてもらいました。エピソードを聞いて、日々さまざまな場面に出くわしているのだなぁ、と実感しました。もちろんいい話だけじゃなくて、困ったお客さんやトラブル話もたくさんありましたが、お客さんの数だけいろいろなエピソードがあって面白いなと思いました」

ーー本作では取材を生かして作られたエピソードあるそうですね。
はい。実話を反映させたのは第2話に出てくる軽トラのおじいさんの話です。これは取材先の店長のエピソードで、見た目とは裏腹にそれはそれは豪邸にお住まいだったそうです。

本作は全6話で、読み切りながらもディーラーの社員と田端の成長が描かれている。読み切りという手法をとったことについて、みこまるさんは「連載が1カ月毎でした。なので、時間が空いても、初めて見る人でも楽しめるかなと思い、毎回読み切りのようにすれば描きやすいかなと思いました」と語る。
先輩、できる同僚、トップディーラー、整備士、店長そしてお客様ーー。多くの人と触れ合う事で田端は「仕事とは何か?」「売るとは何か?」販売の大切なことを見つけていく。
取材協力:みこまる(@micomalu)