土地柄はあって当然、でも“当然違う”わけじゃない!?海外で受けたまさかの人とのコミュニケーションにほっこり【作者に聞く】
国内をとっても「土地柄」があるように、海外でも地域ごとにそこで暮らす人の文化や距離感が大きく変化するのは珍しくない。けれど、“変わる”というのも絶対ではなく……?

海外のさまざまな国や地域を旅する五箇野人(
@gokayajin
)さんが体験談を描いた漫画「海外の郊外と都会の距離感の違い。」に、Twitter上で3000件を超えるいいねが寄せられている。海外経験が豊富な五箇野人さんに、本作のこぼれ話や、海外での“距離感”についてうかがった。
「距離感ゼロ」は郊外だけじゃない!先入観を打ち破る都会での思い出
今回紹介するのは、五箇野人さんが3月末に投稿した、中南米を旅した時のエピソード。郊外での体験を漫画にすることの多い五箇野人さんだが、この時は景観が開発された港湾エリアに立ち寄っていた。

高層ビルが立ち並び、洗練された都会といった印象のその港をぶらついていた五箇野人さんは、工事現場で防塵マスクをつけた作業員の男性を見かける。話しかける余地もなく真剣そのものという様子の彼らを見ながら、とある集落で会った瞬間距離感なしのフレンドリーさで接してくれた男性のことを思い出す五箇野人さん。
ひとえに同じ国と言っても、都会や郊外で趣は大きく異なるもの。その違いも旅の醍醐味と思いながら街並みを撮影していた五箇野人さんだったが、「Ohhhh!何だその服!」と、いきなり声をかけられる。

見ると、声の主は先ほど五箇野人さんが見た作業員の男性。五箇野人さんは甚平と忍ハチマキ姿で旅行しており、男性はその服装を見てテンションMAX。「俺も撮れー!!」と第一印象とは真逆のフレンドリーさに五箇野人さんは驚きながらも、予期せぬところから受けた「距離感ゼロ」の歓待に写真撮影で応えるのだった。
「決めつけられない」距離感への自戒こめたエピソード
「都会と郊外では反応も変わってくる」という一見当たり前な考えが、意外な形で裏切られた体験を描いたエピソード。五箇野人さんのブログには実際の写真も掲載されており、完全防備の作業員がカメラに向かってサムズアップする姿が収められている。
そのいで立ちは向こうから話しかけてくるとはなかなか予想できないもので、五箇野人さんも話しかけられた時は作業員の男性たちの陽気さに「まさか」と思ったと振り返る。
「話しかけられるとは思っておらず、こちらの勝手なイメージですが、むしろ写真撮影を注意されたりの可能性も考えていたくらいでした」
今回の体験以外でも、一つの国の中で場所によっての距離感の違いを感じることはあるという五箇野人さん。「日本国内も同様ですが、そういう違いを感じることはあります。ただ、それ以上に人それぞれ性格が違うので。いろんな国、いろんな町に行くたびに『この国、この場所の人はこういう性格』とかは決めつけられないなぁと痛感します」と話し、今回のエピソードにはそうした思いも込めているという。
あって当然の違いだけれど、「当然違う」とも限らないのが人との距離感。海外のみならず、旅行の際はそうした先入観を持っていないか、心の片隅に置いておきたい考え方だ。
取材協力:五箇野人(@gokayajin)