年下上司が「雑魚」を連呼、でもその言葉の意味は「好き」!?「高度すぎる」とツッコミ集めたはちゃめちゃラブコメに反響多数【作者に聞く】
「雑魚ザコざっこぉ!」と連呼してくる年下の上司。罵倒しまくりかと思いきや、そもそも上司は“雑魚”以外の言葉を喋れなくて――!?型破りな設定で描かれる短編ラブコメ漫画「雑魚上司」に、Twitter上で1.1万件を超える「いいね」とともに、「雑魚しか喋れなくて笑った」「これは高度すぎる」「何を読まされたんだ…」と笑いと困惑の声が集まっている。

作者は、『専門学校JK』や『人見知り専門家庭教師 坂もっちゃん』などの商業作品や、自身のTwitter上に投稿する絵日記漫画で知られる漫画家のぬこー様ちゃん(
@nukosama
)さん。反響を受け、作者のぬこー様ちゃんさんに、本作の舞台裏について話を訊いた。
「雑魚」としか言わない上司…実は励ましてる!?謎すぎる設定がかわいすぎ
「雑魚上司」は、ぬこー様ちゃんさんが3月、Twitterに公開した作品。深夜におよぶ残業でくたびれた様子の男性が「サラリーマンは上司に逆らえない」と溜め息をつく場面から物語ははじまる。

「…すみません」、「ですよね…」と、オフィスで居残っていた上司からの言葉に逆らうことなく相槌を打つ男性。それもそのはず、上司の言葉は「ザコ」「雑魚」「ざーこ」と、そもそも何を言っているのかがまったく分からなかったからだ。

新任の上司は、入社3年目にして部長の座に就いた年下の女性。超エリートのはずの彼女だが、何故か「雑魚」しか喋れなかった。その言葉の意味はもちろんのこと、耳元で囁いたり肩をもみながら「ザコ」とつぶやいたりと、行動の意図も理解できずに翻弄される男性サラリーマン。だが、二人きりとなったオフィスで、男性はとある仮説に思い当たる。「励ましてくれてます?」と。

その言葉を聞いて、上司の彼女は「ザコォ~!!」と赤面。消え入りそうな声で「ZAKOざこ」と連呼するが、その中には「SUKI」という言葉も紛れていた。その様子に戸惑う男性だったが、涙目の上司に首を羽交い絞めにされ、うやむやのまま残業の夜は更けていくのだった……。
「需要がわからない」とボツに…裏腹にTwitterでは「これが刺さる」の声
ユーザーからは「イカれた設定好き」「どうやって出世したんだ」とツッコミが集まったように素っ頓狂な設定ながらも、罵倒の裏に秘められた好意のギャップが愛おしい上司の姿に「萌える展開」「もう励ましの言葉だろ」と好感を集めた作品。

ぬこー様ちゃんさんによると、同作は1年半ほど前、商業の企画として提案したところあえなくボツとなった漫画とのこと。その際、編集者からはボツの理由として「シンプルに需要がわからない」と伝えられたそうで、ぬこー様ちゃんさん自身も「フォロワーはがんがん減りました!!」と、同作を公開した後も反響については懐疑的。とは言え、「いいねとリツイートから少なくとも1万人の需要はある」「世の中にはこれが刺さるのもいるんだぜ」というTwitterユーザーからのコメントが裏付けるように、型破りな設定ながらいろんな意味で素直になれない上司のキャラクター性が多くの読者のツボにはまった作品だ。
そんな同作は、制作の発端は2年半ほど前に遡るそう。「どうやって発想したのかはあんまり覚えてません」とどうアイデアが生まれたかは定かではないと話す。
一方で、「ペン入れしたのはこれだけですけど、実はこの漫画20ページくらいストックあります」と、4ページの読み切り短編ではなく、続きを見据えた企画として考えていたものだと語るぬこー様ちゃんさん。ユーザーからも「続きが気になります」という声も聞かれた同作について、「企画が通っていたならリアル7割・不思議3割くらいの感じで続いていたと思います」と当時の構想を教えてくれた。
取材協力:ぬこー様ちゃん(@nukosama)