「結婚しようね」幼い時の約束を一途に信じ続ける2人の一生を描いた物語が尊すぎると話題!まさかの展開に涙する人続出【作者に聞く】
Twitter(
@Yumeno_Yuzu15
)やInstagram(
@yumeno_yuzu
)に自身の描いた漫画を投稿している漫画家の夢野ゆずさん。アプリ・マンガMee内で公開された「
10年リコレクション
」を手掛けたほか、現在はほかの漫画家や声優、小説家と一緒に制作したボイスコミック動画をYouTubeでアップするなど活動は多岐にわたる。
GWには、毎日連続で小学生から老後までを時系列で追っていくラブストーリー「結婚するまであと?日」を投稿し「尊すぎる…!」と話題に。幼いときにした「結婚しよう」という約束を一途に信じ続ける2人の姿にキュンキュンした人が続出した。「小学生編」「中学生編」「高校生編」「大学生編」「大人編」と続く全9編の中で、主人公・愛佳(まなか)と冬真(とうま)がそれぞれ成長していくのだが、中学生、高校生では「お互い想い合っているのにまだ結ばれないのか…!」とじれったい展開が続くのだが、大学生編でめでたくカップルになる。続く大人編でのまさかの急展開には驚きを隠せなかったが、最後の老後編までを読み終えると心が何とも温かい気持ちになった。
今回は、作品を描くことになったきっかけやこだわりなどを聞いた。
――簡単に自己紹介をお願いいたします。
「少女漫画家をやらせていただいております。夢野ゆずと申します。集英社のマンガMeeというアプリで『10年リコレクション』という漫画を連載していました。現在は商業連載を目指しつつ、YouTubeやSNSで漫画やイラストなどを載せたりしています。YouTubeでは『
【ラビスタ】Love't studio
』というチャンネルで活動していて、ほかの漫画家さんや、声優、小説家の方たちと一緒にボイスコミック動画を制作しています。今年中には、YouTube内連載も開始できるよう計画しているので、ぜひそちらもチェックしていただけると嬉しいです」
――SNSでの投稿をはじめられたきっかけ、その理由を教えていただけますか?
「高校生の時に高野苺先生の『orange』と出会って、すごく影響を受けたんです。その頃『バクマン』のアニメも見る機会があって、それを見て『私も漫画家になって人を感動させられる話が描きたい!』と思ったのがきっかけでした。それからずっと漫画を描いて投稿していて…。締切ギリギリの時には放課後に書道教室を借りてベタを塗る作業をしていたこともあります(笑)」
――「結婚するまであと?日」を描こうと思われたきっかけや、執筆時にこだわったポイントを教えてください。
「GWになにかしら企画が出来たらおもしろいな〜と思って、せっかくなら最大9日間っていうのを活かした形で何かやろうと思ったのがきっかけです。そこで思いついたのが、子供編から老後編まで、1人の人生を描いてみようという案でした。普通の商業連載で1人の人生を描こうと思ったらとんでもない話数になると思うのですが、短編のショート漫画を連日投稿するという形だったからこそできた作品かなと思います。その時に『結婚するまであと○日』というタイトルとストーリーを決めました。
こだわったのは、後半の展開からの終わり方ですね。読んでくださった方はわかると思うのですが、大人編のあとの展開でも、常に“希望”は残し続けたいなと思っていたので…。客観的事実としての“バッドエンド”ではあっても、本人にとっての“ハッピーエンド”を描けたらなと意識しながら描きました」
――特に思い入れのあるシーンとその理由を教えてください。
「思い入れのあるシーンは大学生編のラストですね。キスをしてからのおかわりをおねだりする愛佳ちゃんと『ふざけんな』と言いながら照れる冬真くんのやりとりの様子が、『いつもこんな感じなんだろうな~』と想像できて描いていて微笑ましかったです」
――読者の反響はいかがでしたか。印象的だった出来事やコメントがあれば教えてください。
「大学生編のころから特に反響が大きくなって、ほのぼのとした2人の純愛に対して『尊い』といったコメントやいいねをたくさんいただけるようになってとても嬉しかったです。その反面、次の日に更新される大人編の展開を思うとすごく動揺しました…。
ラブコメを期待して見てくださってた人たちを裏切ってしまったかな…という罪悪感で、大人編をあげてからしばらくはご飯がのどを通らないくらい心臓が痛かったんですが、結果として受け入れていただけたのか『感動しました』『泣きました』とコメントがたくさん届いて、本当に、本当に!救われました。『素敵な作品をありがとうございました』と言っていただけた時には、心の底からこの作品を描いてよかったなって思いました」
――執筆される際、こだわっているポイントや込められている思いを教えてください。
「常に“愛されるキャラクター”にしたいなと思いながら意識して描いています。物語の中の人物ではあるんですが、人間臭さを感じたり、抜けているところがあったりして、つい応援したくなるような、そんなキャラクターを目指していますね。読者の方に、近い距離で感じてもらえたらうれしいなと思って作っています」
――思い入れのある作品を教えてください。
「人生初めての連載作品『10年リコレクション』です。いろんなことが手探りでしたが、新しいチャレンジばかりだからこそ意気込みというか、勢いもあって描けたのかな、と今では思います。技術としては足りない部分も多かったんですが、描きたかったことを全力でぶつけた作品でした。描いてよかったなと思える作品の一つです」
――どんな方に作品を届けたいですか。
「いや、どんな人でも私の作品を見つけてくださるだけでめちゃくちゃうれしいです!見てもらう人がいなきゃやっていけないお仕事なので…。その中で見てくださった人の心に少しでも私の作品が残ることができるのなら、それはすごく漫画家冥利に尽きることだなーと思います」
――記事を読む方に向けてメッセージをお願いします。
「記事を読んでいただきありがとうございます。こういった取材も初めてで、少し恥ずかしさもあるのですが、これから先も『応援してよかった』と思っていただけるようにたくさんの作品でお返しできるように頑張ります。いろいろな媒体や、ジャンルに挑戦しながら作品作りに励んでいこうと思っておりますので、ぜひ応援よろしくお願いいたします!」
取材協力:夢野ゆず(@Yumeno_Yuzu15)