僕が窃盗犯!?ランドセルから財布が発見された!「助けてよー」発明家の姉が創った改造品で犯人を確保【作者にインタビュー】

天才女子高生の出水川もなかは、家電を便利道具に改造する。例えば、炊飯器を頭からかぶれば数秒で寝癖が直せたり、数時間だけポジティブになれるニット帽子など、誰もが欲しいと思う物を創り出してしまう。そんな発明品は、うまく使えばとても便利。しかし、使い方によってはとても危険をはらんでいてーー。私利私欲のままに物事を動かそうと家族たちが巻き起こすギャグ漫画、ふくたいさお(@fukuta_isao)さんの「りもで・りんぐ」を紹介しよう。

奇想天外な家電改造で、遅刻しない時計を発明したり、意中の人を好きにさせようとしたりーー。倫理観をまるっと無視した発明コメディは、現在
COMIC MeDu
で大人気連載中。2023年6月30日に待望の第2巻が発売となる。今回はそんな出水川家のドタバタコメディを生み出した、作者のふくたいさおさんに本作の制作秘話を伺った。
「それ欲しい!」と思うものを身近な家電を改造して次々と発明!

遅刻ギリギリに起きても大丈夫!炊飯器を頭からかぶれば、ものの数秒で寝癖が直る。さらに、ブラウン管を改造した「持ち物セッティングマシーン」を使えば、曜日に必要な持ち物がセットになって出てくる。出水川もなかの発明した家電改造品は、実在すればとても便利だが、中には人の心を操作できたりと、危険なものもあった。

ーー家電を使って発明する改造家電SF。ありそうであり得ない展開が、とてもおもしろいです。本作を発明したきっかけを教えてください。
ありがとうございます。私は子供の頃からドラえもんが大好きで、「自分だったら、ドラえもんのひみつ道具をもっと私利私欲のために使うのに」という妄想ばかりしていました。“もしもボックス”を使って「自分が超お金持ちになった世界」や「自分がモテモテな世界」を作り出す妄想をしたり、遅刻しそうなときに“どこでもドア”を使ってショートカットをする妄想をしたり、嫌なことを言われたときに“どくさいスイッチ”で相手を消す妄想をしたり。ていうか、ものすごくエロいこととか妄想してました。

でも、これって私だけじゃないと思うんです。ひみつ道具を使った妄想をしたことある人って。世の中にきっと、きっとたくさんいると思うんです。だから「ひみつ道具を私利私欲のために使う漫画を描けば、たくさんの人に共感してもらえるかも!」と思い、描き始めました。キャラクターに関してですが、私の身近にステキな家族がおりまして、主人公の家族(出水川家)はその方たちをモデルにしました。

ーー個性的な家族がメインですが、キャラ作りでこだわったところがあれば教えてください。
普段、私が表に出せない欲をキャラたちで発散させています。弟の“もり”には、僕が子供の頃やりたかった「ひみつ道具を私利私欲に使う」をやらせるようにしています。彼は描いていて楽しいです。18年後の未来から来た“おおもりくん”は、僕の「だらだらしたい欲」を体現してもらってます。彼も描いてて楽しいです。

ーー炊飯器で寝癖直しなど、欲しい発明がたくさんあります。発明品を生み出す作業は、どのようなところからヒントを得ていますか?
基本、僕が「あったらいいなー」と思うものを描いてます。なので、生み出すのにはそれほど時間がかかりません。

ーー今までで一番反響があった発明品はなんでしょうか?
16話の「心と心を入れ替える装置」です。思春期の頃にみんなこんな妄想したんだろうな、と思いながら描きました。こちらは、1巻に載ってますので、ぜひ!

ーー一番制作するのに大変だった話があれば教えてください。
毎話たのしく描いてます。ただ、兼業なので、作画作業の時間がなくて大変です。

ーー第2巻が発売になりますが、2巻の見どころを教えてください。
見どころはカバーです。この漫画を知らない人でも、どんな漫画か何となくわかるようなカバーにしました。世の中に、きっとたくさんいる「ひみつ道具で妄想をしたことがある人」のアンテナにひっかかるといいなと思いながら描きました。書店様には、ぜひ平積みでおいてほしいです。たくさん売ってCOMIC MeDu編集部に還元したいので!
アホなのか天才なのか、紙一重の主人公の発明に巻き込まれる常識人の姉弟、少しアンテナがおかしい両親。各々のキャラクターが生き生きしていて、何度読み返しても笑える漫画だ。「久しぶりに続きが読みたくなる漫画」と口コミも多い、まだの人は、ぜひ一読を。
取材協力:ふくたいさお、COMIC MeDu編集部